
2026年4月公開の映画『SAKAMOTO DAYS』で、上戸彩さんは目黒蓮さん演じる坂本太郎の妻・坂本葵を演じました。2025年には『沈黙の艦隊 北極海大海戦』に出演し、『ズートピア2』ではジュディ・ホップスの声を担当。12月には『M-1グランプリ』の司会を14大会連続で務めています。俳優デビュー25周年を迎えた上戸さんですが、最初の一歩は、ポストに入っていた一枚のチラシでした。
練馬区光が丘で育った上戸彩さん 習いごとでいっぱいの毎日
上戸彩さんは1985年9月14日、東京都練馬区に生まれて光が丘で育ち、練馬区立光が丘第六小学校を卒業しました。子どものころの習いごとは、月曜が公文式、水曜と木曜がバレエ、金曜がピアノ、土曜が水泳、日曜がリトミック。1週間のほとんどが、何かを学ぶ時間で埋まっていました。勉強も、体を動かすことも、音楽も、幼いころからひと通り経験していたことになります。
地元の中学では、のちにNEWSのメンバーとなる増田貴久さんが1学年後輩で、当時からの仲です。芸能の仕事を始めてからも、上戸さんは長く保育士になりたいと考えていました。
そんな上戸さんが芸能界を意識したのは、友だちがエキストラとしてドラマに出たのをうらやましく思っていたころでした。ちょうどそのとき、ポストにコンテストのチラシが入っていたのです。テレビに一瞬映ってみたい、という気持ちから始まった挑戦でした。
「CMに出たい」と話した小学6年生 審査員特別賞からの出発
1997年8月、小学6年生の上戸さんは、オスカープロモーションが主催する「第7回全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受けます。応募したのは母親で、上戸さん自身は、夢を話す場面でも「CMに出たい」と答えていました。
審査員のひとりだった中森明夫さんによると、上戸さんは当初どの賞にも選ばれていませんでした。中森さんと、当時オスカーの社長だった古賀誠一さんが推したことで、賞が贈られたといいます。審査員特別賞が急に2人になったため、授賞式には上戸さんの表彰状もタスキもなかったそうです。
1999年1月、上戸さんは4人組アイドルグループZ-1の一員として活動を始めます。同じ年には映画『殺人者 KILLER OF PARAISO』にヒカリ役で出演しました。M-1グランプリでともに司会を務める今田耕司さんとは、このZ-1のデビューのころから共演していた間柄です。
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『3年B組金八先生』の鶴本直 忙しさが一変した10代
2000年10月、フジテレビのドラマ『涙をふいて』の淵上桃役で、上戸さんは女優デビューを果たしました。2001年にはTBS『嫁はミツボシ。』で新庄真由を演じています。
大きな転機は、2001年10月から放送されたTBS『3年B組金八先生』第6シリーズです。上戸さんは、体と心の性の違いに悩む生徒・鶴本直を演じました。この役をきっかけに仕事が一気に増え、ゴールデン・アロー賞の最優秀新人賞と放送新人賞を受賞しています。2002年にはTBS『渡る世間は鬼ばかり』第6シリーズの山下加奈役、『マイリトルシェフ』の鴨沢名津菜役も演じ、TV LIFE年間ドラマ大賞の新人賞にも選ばれました。
2002年8月には、シングル「Pureness」でソロ歌手としての活動も始め、翌2003年には初めてのアルバム『AYAUETO』を発表しました。忙しさで学校に通えず単位が足りなくなり、2002年の夏、高校2年で堀越高等学校を離れることになります。それでも堀越の同級生だった蒼井優さん、城田優さん、山下智久さんたちとは、その後も交流が続いています。
『あずみ』と『エースをねらえ!』で上戸彩さんが主演女優に
2003年、TBS『高校教師』の町田雛、『ひと夏のパパへ』の望月まりも、『さとうきび畑の唄』の平山美枝と役を重ねながら、上戸さんは映画『あずみ』で主人公のあずみに挑みます。刀を振るう少女の役で、第27回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞、新人俳優賞、話題賞をそろって受賞しました。2005年には続編『あずみ2 Death or Love』も公開されています。2003年には第11回橋田賞の新人賞も受けています。
2004年にはテレビ朝日『エースをねらえ!』で岡ひろみを演じ、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演女優賞を受賞。同じ年の大みそかには、第55回NHK紅白歌合戦で紅組のトップバッターを務めました。
2005年はNHK大河ドラマ『義経』のうつぼ役、テレビ朝日『アタックNo.1』の鮎原こずえ役、TBSのドラマで少女時代の美空ひばりさん(加藤和枝)役と、話題作が続きます。2006年のフジテレビ『アテンションプリーズ』では、客室乗務員を目指す美咲洋子を演じ、のちにハワイ編やシドニー編のスペシャルも作られました。2005年には小学館『少女コミック』で、上戸さんを主人公にした漫画『上戸彩物語』が掲載され、単行本にもなっています。
CM起用社数で6度の首位 お茶の間の顔になった上戸彩さん
上戸さんの名前は、CMでもすっかりおなじみです。タレントCM起用社数ランキングでは、2004年、2005年、2006年、2009年、2010年、2015年と、通算6度の年間首位を獲得しました。コンテストで「CMに出たい」と話していた少女は、だれもが知るCMの顔になったのです。
なかでも2007年に始まったソフトバンクの「白戸家」シリーズは長く続き、ACC CM FESTIVALのベスト演技賞を受けています。2005年には大塚製薬「オロナミンCドリンク」で同じくACCの演技賞を受賞しました。
司会の仕事でも存在感を見せます。2008年の第50回日本レコード大賞で司会を務め、同じ2008年から漫才日本一を決める『M-1グランプリ』の決勝で司会を担当。2025年まで14大会連続で、今田耕司さんとともに舞台に立っています。2006年には日本テレビ系のトリノオリンピック中継でスペシャルキャスターを、2013年には『24時間テレビ』のチャリティーパーソナリティーを務めました。2007年からは裁判員制度の広告キャラクターにも起用されています。
『半沢直樹』の花から『シャイロックの子供たち』へ 大人の役で広がる幅
20代に入ると、演じる役にも幅が出てきます。2010年にはフジテレビ『絶対零度〜未解決事件特命捜査〜』で刑事の桜木泉を演じて主演を務め、NHK『10年先も君に恋して』では小野沢里花を演じ、同じ年の『流れ星』の槇原梨沙役ではザテレビジョンドラマアカデミー賞と日刊スポーツ・ドラマグランプリの助演女優賞を受けました。
2012年には映画『テルマエ・ロマエ』で山越真実を、TBSのドラマで童謡詩人の金子みすゞを演じました。2013年にはNHK『いつか陽のあたる場所で』で小森谷芭子を、TBS『半沢直樹』で主人公を明るく支える半沢花を演じ、2020年の続編でも花として登場しています。2014年にはフジテレビ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』の笹本紗和役で新しい一面を見せ、映画『武士の献立』のお春役で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を受けています。
声の仕事でも親しまれています。2014年の『マレフィセント』ではオーロラ姫を、2016年の『ズートピア』ではウサギの警察官ジュディ・ホップスを担当。2023年の映画『シャイロックの子供たち』の北川愛理役では、第47回日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を受けました。2022年にはテレビ朝日『となりのチカラ』で中越灯を演じています。
『沈黙の艦隊』と『SAKAMOTO DAYS』 40代の上戸彩さん
2023年からは、大沢たかおさん主演の『沈黙の艦隊』シリーズで市谷裕美を演じています。2023年9月の映画に続き、2024年2月にはPrime Videoで『沈黙の艦隊 シーズン1〜東京湾大海戦〜』の配信が始まり、2025年9月には映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』が公開されました。同じ年の4月には映画『パリピ孔明 THE MOVIE』に情報番組のMC役で顔を見せ、12月には『ズートピア2』でジュディの声を担当しました。2024年の映画『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』ではルルンの声も務めています。
2026年4月29日公開の映画『SAKAMOTO DAYS』は、福田雄一監督が人気漫画を実写化した作品です。上戸さんが演じたのは、伝説の殺し屋だった坂本太郎が一目惚れして引退するきっかけとなった坂本葵。家族の中心で、物怖じしない明るい性格の役で、娘の花は吉本実由さんが演じました。上戸さんは「坂本葵の登場シーンは、コメディ要素の中にも“家庭の温かさ”を感じられる場面が詰まっていると思います」とコメントしています。
保育士を目指した上戸彩さんの素顔とこれから
芸能の仕事を始めてからも保育士を志していた上戸さんは、20歳のときに芸能の道に進むと決めました。その代わりに、チャイルドケアライセンスを取得しています。
友人との縁も長く続いています。ベッキーさんとは子ども向け番組『おはスタ』で知り合い、『エースをねらえ!』での共演で親しくなりました。平愛梨さんとは『3年B組金八先生』の共演がきっかけで、どちらも10代のころから20年以上の付き合いです。ラジオでは、17歳だった2002年から『上戸彩 Seventeen’s Map』、『Eighteen’s Road』と、年齢を番組名に入れたニッポン放送の番組を2007年まで続け、2013年から2015年には『上戸彩 ブリリアント・ライフ』も担当しました。
これからの予定も決まっています。『沈黙の艦隊』の第3作『沈黙の艦隊 目覚めよ、ニューヨーク』は、2027年夏からPrime Videoで世界独占配信される予定で、上戸さんも続投します。一枚のチラシから始まった道は、25年を越えたいまも、映画、配信、CM、司会と広がり続けています。
写真: Switchstyle: https://www.flickr.com/photos/shuichi/ / CC BY 2.0 (Wikimedia Commonsより)


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