宮﨑あおいさん 4歳の子役から最年少大河主演の『篤姫』を経て『豊臣兄弟!』のお市へ

宮﨑あおい 女性芸能人
写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
宮﨑あおいの写真

18年ぶりの大河ドラマで宮﨑あおいさんが演じた市

2026年1月に始まったNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』。仲野太賀さんが主人公の小一郎(のちの豊臣秀長)を演じるこの作品で、宮﨑あおいさんは第2回から、織田信長の妹・市(お市)を演じています。主演を務めた2008年の『篤姫』以来、18年ぶりの大河ドラマ出演です。信長を演じる小栗旬さんとは、約24年ぶりの共演になりました。大河ドラマへの出演は、13歳で出た『元禄繚乱』、主演の『篤姫』に続いて3作目です。

宮﨑さんは18年ぶりの大河について、「『篤姫』で積み重ねた日々は私の一生の宝物」と振り返っています。市という人物については、「すべてが命がけの戦国時代においても、特に芯の強い女性」ととらえていました。8月30日放送の第33回「北庄城の別れ」では、山口馬木也さん演じる柴田勝家と市の最期が描かれ、大きな反響を呼んでいます。

22歳で大河の主役を務めた宮﨑さんですが、始まりは4歳の子役でした。名前のつかない役が多かった少女が、どうやって日本を代表する俳優になったのか。作品と役名でたどっていきます。

4歳で始まった子役時代

宮﨑あおいさんは1985年11月30日、東京都で生まれました。芸能の仕事を始めたのは4歳のときです。きっかけは、思い出に残るようにという母親の考えでした。最初はCMや雑誌を中心に活動しています。

記録に残るいちばん古いCMは、1990年の東京海上火災保険です。その後も花王「ふきんクイックル」、日本マクドナルド「お子様セット」などに出演しました。1990年代には旭化成、トミー、ハウス食品「フルーチェ」などのCMにも出ています。1998年にはナムコのゲーム「テイルズ オブ ファンタジア」のCMにも登場しました。1993年の金冠堂「キンカン」では、兄で元俳優の宮﨑将さんと共演しています。兄妹での共演は、のちにベネッセコーポレーション「進研ゼミ高校講座」のCMでも実現し、2006年と2007年には兄妹の共著のフォトエッセイ『たりないピース』も出しました。

ドラマや映画にも出ていましたが、このころは名前のつかないような脇役がほとんどでした。華やかな主役とは遠い場所で、小さなころから撮影の現場に立ち、少しずつ経験を積んでいった時期です。

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役名をもらい本格的に歩き出した10代

宮﨑さんが役名のある役をもらい、本格的に俳優の仕事を始めたのは、1997年から1999年ごろです。1997年にはテレビ東京『真・女神転生デビルサマナー』に悪魔のあゆみ役で出演し、1999年9月にはNHK大河ドラマ『元禄繚乱』の第38回で矢頭さよを演じました。初めての大河出演は、まだ13歳のときでした。

同じ1999年には、大林宣彦監督の『あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜』で映画デビューを果たします。演じたのは小林玉という少女です。さらに少女向けファッション誌「ピチレモン」のモデルとして毎月レギュラーで登場し、同世代の読者から人気を集めました。2000年には『淀川長治物語・神戸篇 サイナラ』で淀川富子、『sWinG maN スイングマン』で水瀬双美を演じるなど、映画への出演も少しずつ増えていきます。

2000年から2001年にかけては、フジテレビの『秘密倶楽部 o-daiba.com』『株式会社 o-daiba.com』で高原零を演じています。ここで共演した栗山千明さん、須藤温子さん、ベッキーさん、松本まりかさんとは仲がよいことで知られ、宮﨑さんは2001年のフォトエッセイ『the+me』で、この4人を一番大切な仲間と書いています。

初主演の『害虫』で海外の映画祭から評価された宮﨑あおいさん

大きな転機は、映画初主演となった『害虫』でした。宮﨑さんはこの作品で北サチ子を演じ、2001年、フランスの第23回ナント三大陸映画祭で、コンペティション部門の主演女優賞を受賞します。日本での公開は翌2002年でした。作品の映像は、NUMBER GIRLの「I Don’t Know」のミュージックビデオにも使われています。

同じころ、映画『EUREKA ユリイカ』ではヒロインの田村梢を演じ、2002年に第16回高崎映画祭の最優秀新人女優賞に選ばれました。この年にはBS-iの『ケータイ刑事 銭形愛』で銭形愛を演じ、連続ドラマで初めて主演を務めています。同じ2002年には映画『パコダテ人』で日野ひかるを演じ、映画への出演がさらに増えていきました。

2003年には、白井晃さん演出のミュージカル『星の王子さま』で初舞台にして主役の王子さまを演じ、第41回ゴールデン・アロー賞の演劇新人賞を受賞しました。同じ年には、アニメ『魔法遣いに大切なこと』で菊池ユメの声を担当し、声優にも初めて挑戦しています。映画、ドラマ、舞台、声の仕事と、10代のうちに表現の場所を一気に広げていきました。

『NANA』『純情きらり』そして最年少の『篤姫』へ

名前が広く知られるきっかけになったのは、2005年の映画『NANA』です。中島美嘉さんとのダブル主演で、宮﨑さんは小松奈々を演じました。作品は2005年度の実写邦画で観客動員数2位、興行収入40億円の大ヒットになります。作品の映像は、中島美嘉さんの「GLAMOROUS SKY」のミュージックビデオにも使われました。2006年には映画『初恋』でみすず、『ただ、君を愛してる』で里中静流を演じるなど、映画でも話題作が続きます。

翌2006年には、NHK連続テレビ小説『純情きらり』でヒロインの有森桜子を演じました。この役で第44回ゴールデン・アロー賞の放送賞(ドラマ部門)を受け、第15回橋田賞にも選ばれています。

そして2008年、NHK大河ドラマ『篤姫』で主人公の篤姫を演じます。放送開始時は22歳1か月で、大河ドラマの主演として歴代最年少の記録です。宮﨑さんはこの作品で、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演女優賞や、ギャラクシー賞テレビ部門の個人賞などを受けました。18年たった今でも、『篤姫』の話をすると涙が出てしまうと語るほど、宮﨑さんにとって特別な作品になっています。

『舟を編む』から『怒り』まで役の幅を広げた2010年代

2010年代の宮﨑さんは、映画を中心に主演作を重ねていきます。2011年は『神様のカルテ』で栗原榛名、『ツレがうつになりまして。』で髙崎晴子を演じ、第24回日刊スポーツ映画大賞の主演女優賞を受賞しました。2013年の『舟を編む』では林香具矢を演じ、日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に選ばれています。2012年の『わが母の記』では伊上琴子を演じ、日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を受けました。声の仕事でも、2012年の劇場アニメ『おおかみこどもの雨と雪』で主人公の花を演じました。

2015年から2016年にかけては、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で、波瑠さんとのダブルヒロインとなる姉・今井はつを演じます。朝ドラへの出演は『純情きらり』以来2度目でした。2016年の映画『怒り』では槙愛子を演じ、第40回山路ふみ子映画賞の女優賞などを受けています。

2017年のNHKドラマ『眩〜北斎の娘〜』ではお栄を演じて第44回放送文化基金賞の演技賞を、2018年のTBS『あにいもうと』では大型トラックの運転手・赤座桃子を演じて第27回橋田賞を受賞しました。この役のために、実際に大型自動車免許を取ったことも知られています。

13年ぶりの民放連続ドラマと広がる声の仕事

2019年には、映画『真実』でジュリエット・ビノシュさんが演じたリュミールの吹き替えを担当し、洋画の吹き替えに初めて挑戦しました。2020年1月には、TBSの新春ドラマ特別企画『あしたの家族』で小野寺理紗を演じています。

2022年の劇場アニメ『かがみの孤城』では喜多嶋先生の声を担当し、2023年はNHK連続テレビ小説『らんまん』でナレーションと藤平紀子役を務めました。同じ2023年には映画『大名倒産』でなつを演じ、Netflixの『クレイジークルーズ』では吉沢亮さんとのダブル主演で盤若千弦を演じています。2024年にはNHK総合『ユーミンストーリーズ』の第3話「春よ、来い」でカナコを演じました。フジテレビ『ザ・ノンフィクション』のナレーションも、不定期で担当しています。日本マクドナルドの「てりたま」や「月見ファミリー」のCMでも、おなじみの顔になりました。

2025年は、10月公開の映画『秒速5センチメートル』で輿水美鳥を演じました。同じ10月から放送されたテレビ朝日のドラマ『ちょっとだけエスパー』では、大泉洋さん演じる文太の妻として社宅で暮らす謎の女性・四季を演じています。民放の連続ドラマへの出演は13年ぶりで、大泉さんとは『あにいもうと』以来7年ぶりの共演でした。

写真とネイルが好きな宮﨑あおいさんの素顔とこれから

仕事を離れた宮﨑さんの趣味は写真です。オリンパスのデジタル一眼カメラのCMには2007年から出演し、2014年には企業CM「私の写真は、私の今だ」篇にも登場しました。特技はネイルアートで、リンゴの皮むきも得意です。その腕前は、アフラックのCMでも披露されました。俳優の満島ひかりさんとは生年月日がまったく同じで、お二人は2012年の映画『北のカナリアたち』で初めて共演しています。

テレビの特別番組では、2009年に『感動地球スペシャル 宮崎あおい、心にしみるアフリカ〜生命輝く大地・ルワンダ〜』に出演しました。ドキュメンタリーのナレーションや絵本の朗読など、声で伝える仕事も長く続けています。

10代のころは映画だけに出たいというこだわりがあったものの、今はドラマでも映画でも伝えるものは変わらないと思うようになった、と宮﨑さんは語っています。その言葉どおり、ここ数年は大河ドラマ、民放の連続ドラマ、配信作品、アニメと、場所を選ばずに作品に出演してきました。

4歳で始まった俳優の道は、35年を超えました。『篤姫』から18年後に戻ってきた大河ドラマで、まったく違う時代の女性を演じた宮﨑あおいさん。次にどんな人物を見せてくれるのか、新しい作品の知らせを楽しみに待ちたいところです。

写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 (Wikimedia Commonsより)

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