橋本環奈、福岡の「奇跡の一枚」から月9初主演、千と千尋の世界ツアーまで

橋本環奈 女性芸能人
写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
橋本環奈の写真

2026年の橋本環奈さんは、1月にフジテレビの月9ドラマ『ヤンドク!』で初主演、7月には映画『キングダム 魂の決戦』で9年近く演じてきた河了貂に。9月には自分が監修する愛犬ブランドを立ち上げ、12月からは舞台『千と千尋の神隠し』の世界ツアーが始まります。ドラマ、映画、配信、舞台、司会と、どの場所でも名前を見ない月がないほどです。

始まりは、福岡の小学3年生が口にした「テレビに出たい」というひとことでした。地元のローカルアイドルだった橋本さんは、1枚の写真をきっかけに全国へ知られるようになります。アイドルから女優へ、そして司会や舞台へ。その後の歩みを、出演作と役名をそえてたどります。

「テレビに出たい」と願った福岡の小学3年生

橋本環奈さんは1999年2月3日、福岡県福岡市城南区で生まれました。2007年、小学3年生のときに「テレビに出たい」と思い、母に頼みこんで福岡の芸能事務所「アクティブハカタ」に入ります。はじめは地元のCMの仕事が中心で、2010年からはほっともっと、2011年からはマクドナルドのCMにも出演しています。

ステージに立つのも楽しそうだと感じ、2009年には事務所が運営するダンス&ボーカルユニット「DVL」に参加します。のちの「Rev. from DVL」です。歌って踊るアイドルの活動と並行して、事務所の児童劇団の舞台や、2012年に地元テレビ局RKBで放送されたドラマ『住吉家物語』で住吉空を演じるなど、お芝居の経験も積んでいきました。

この時期、もうひとつ大きな出会いがあります。是枝裕和監督の映画『奇跡』のオーディションを受け、早見かんな役で映画に初めて出演したのです。2011年公開のこの作品が、女優を目指すきっかけになりました。小学校の卒業文集には、将来の夢として「女優」と書いています。

「奇跡の一枚」で橋本環奈さんの名前が全国へ

Rev. from DVLとして活動していた2013年、ライブ中に撮られた1枚の写真がインターネットで広まり、「奇跡の一枚」と呼ばれるようになります。橋本さんは「かわいすぎるローカルアイドル」「1000年に1人の逸材」と紹介され、一気に注目を集めました。

この写真に心をつかまれたのが、KADOKAWAの代表取締役だった井上伸一郎さんです。すぐに事務所へ映画を撮りたいとメールを送り、週末に福岡の駅で開かれたライブイベントへ足を運びました。その舞台の熱気に打たれ、その場で主演を申し入れたことを、のちに映画の製作発表会見で明かしています。1枚の写真が、映画の主演という形で実を結ぶことになりました。

2014年1月にはディスカバリー・ネクストとの業務提携が始まり、ファッション誌『an・an』の表紙に単独で登場し、「1000年に一人のアイドル」としてアイドル特集の巻頭を飾りました。2月には『行列のできる法律相談所』でバラエティ番組に初出演し、3月までに大手6社のCMへの起用が決まりました。

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高校に通いながらつかんだ主演作と新人俳優賞

注目を集めたあとも、橋本さんは高校に通いながら仕事を続けました。2014年夏にはフジテレビのドラマ『水球ヤンキース』に本人役で出演しています。2014年から3年間、RKB毎日放送の『みんなの青春のぞき見TV TEEN!TEEN!』でMCを務め、NHK Eテレの『テストの花道 ニューベンゼミ』ではバカリズムさんとMCを担当しています。NHK BS1のスポーツ番組でもMCを務め、10代のうちから番組を回す経験を重ねていきました。

映画では2015年の『暗殺教室』で自律思考固定砲台の律を演じ、2016年3月には、井上さんが主演を申し入れた映画『セーラー服と機関銃 -卒業-』が公開されます。演じたのは主人公の星泉。この作品で、2017年3月に日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しました。授賞式では、映画にかかわったスタッフへの感謝とともに、演技の道に人生をささげる覚悟を語っています。

同じ月に主演映画『ハルチカ』で穂村千夏を演じ、高校を卒業。3月31日、福岡で開かれたラストライブでRev. from DVLを卒業し、この春から女優の仕事一本で進む覚悟を決めました。

銀魂の神楽で広がったコメディの顔

女優に専念した2017年、7月公開の映画『銀魂』でヒロインの神楽を演じます。2018年の『銀魂2 掟は破るためにこそある』でも神楽を演じています。同じ2017年の『斉木楠雄のΨ難』では照橋心美を演じています。2019年の『午前0時、キスしに来てよ』の花澤日奈々、2020年の『シグナル100』の樫村怜奈、『小説の神様 君としか描けない物語』の小余綾詩凪と、映画の主演も増えていきました。

2018年からは日本テレビのドラマ『今日から俺は!!』で早川京子を演じ、2020年には劇場版にもなりました。2019年には二つの大きなシリーズが始まります。映画『キングダム』の河了貂と、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の四宮かぐやです。

2020年には、その年に活躍した新人俳優に贈られるエランドール賞の新人賞を受賞しました。授賞式には、映画『奇跡』の是枝監督がプレゼンターとして登壇し、祝福しています。2021年の正月三が日には、関東で放送されたCMにいちばん多く出演したタレントとしても報じられました。

千尋役と紅白司会、そして朝ドラのヒロインへ

2022年3月、帝国劇場で世界初演された舞台『千と千尋の神隠し』で、上白石萌音さんとのダブルキャストで主人公の千尋を演じます。この舞台は2023年の名古屋・御園座、2024年のロンドン・コロシアム(上白石萌音さん、川栄李奈さん、福地桃子さんとの4人体制)、2025年の上海へと広がり、橋本さんは初演から座長としてカンパニーを引っ張ってきました。

2022年から2024年までは3年続けて『NHK紅白歌合戦』の司会を担当。ドラマでも『王様に捧ぐ薬指』の羽田綾華、『トクメイ!警視庁特別会計係』の一円と主演が続き、2024年2月3日の25歳の誕生日には、5年ぶりの写真集『KALEIDOSCOPE』を出しています。

2024年9月からは、NHK連続テレビ小説『おむすび』で主人公の米田結を演じました。NHKのドラマは初出演で、そのまま初主演という大役です。2025年4月からはテレビ朝日の『天久鷹央の推理カルテ』で天才医師の天久鷹央を演じ、9月には主演映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』が公開されました。

橋本環奈さんのいま 月9と河了貂と愛犬ブランド

2026年1月からは、フジテレビの『ヤンドク!』で月9ドラマに初主演しました。演じたのは、岐阜弁で話す元ヤンキーの脳神経外科医・田上湖音波。実在の女性医師の歩みをもとにしたオリジナル作品で、『おむすび』の脚本家と再び組んだドラマです。共演は向井理さんら、主題歌はAdoさんです。2月からは冠番組『環奈の時間』のMCも務めました。

7月17日公開の『キングダム 魂の決戦』は、原作で人気の「合従軍編」を描くシリーズ第5作です。山崎賢人さん、吉沢亮さんらとともに、軍師として戦う河了貂を演じた橋本さんは、インタビューでこの役を「最愛のキャラクター」と語っています。7月27日からはABEMAのドラマ『バカンスの法則』で主演し、漫画家の東村アキコさんが原作・脚本・監督を務めるこの作品で、急に仕事を失って祖母の別荘へ向かう星野緑を演じました。7月20日には、漫才とコントの二刀流を競う特番『ダブルインパクト』のMCを前年に続いて務めています。

9月17日には、構想4年という愛犬と飼い主のためのブランド「PINOWASSAN(ピノワッサン)」を発表。栃木県那須町に常設店とドッグランも開いています。人と愛犬がおそろいで着られる服などをそろえ、女優の仕事とはまた別の形で、自分の好きなものを届け始めました。

ももクロとジャイアンツと愛犬 仕事の外の顔

橋本さんが昔から憧れの存在としてあげているのが、ももいろクローバーZです。なかでも百田夏菜子さんを推していて、バラエティ番組でももクロの『みてみて☆こっちっち』の振り付けを芸人さんに教えたこともあります。2021年9月には、夢に百田さんが出てきたと、当時のTwitter(いまのX)に投稿していました。『ZIP!』では「橋本環奈のジャイアンツ愛」というコーナーを2023年まで担当し、野球好きの顔も見せてきました。

ブランドの名前のもとになったのは、愛犬のピノとノワです。撮影現場にも毎回いっしょに来ているそうで、発表会では、ピノが長男、ノワが次男という関係も話しています。

仕事への向き合い方もユニークです。2026年7月のインタビューでは、目標を立てずに「今」を生きるタイプだと話し、自分のことを「波乗り系です」とたとえていました。来た仕事の波にしっかり乗ってきたことは、ここまでの出演作の幅を見るとよく分かります。コメディも医療ドラマも、司会も舞台も、どれも一つの波として楽しんでいるように見えます。

これからの橋本環奈さん 千と千尋の世界ツアーへ

この先の大きな仕事が、舞台『千と千尋の神隠し』の2026年から2028年にかけての世界ツアーです。2026年10月15日に発表された千尋役は7人。初演から座長を務めてきた橋本さんと上白石萌音さんに、福地桃子さん、森莉那さん、井上和さん、豊嶋花さん、平澤宏々路さんが加わります。ツアーは2026年12月から2028年7月まで続き、国内では2027年3月から5月の明治座公演に7人全員が出演します。2022年の初演から数えると、千尋とのつき合いは5年を超えることになります。

6月には『新劇場版☆ケロロ軍曹』で神楽役の声も担当していて、声の仕事も続いています。

福岡の小学3年生が「テレビに出たい」と母に頼んでから、もうすぐ20年。ローカルアイドルから映画、朝ドラ、月9、そして海外の劇場へと、立つ場所は大きく変わりました。それでも、自分で波を選びすぎず、目の前の役にまっすぐ向かう姿勢は変わっていないようです。次はどんな役で驚かせてくれるのか、楽しみに待ちたいと思います。

写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 (Wikimedia Commonsより)

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