石橋静河の経歴、15歳でバレエ留学したダンサーから朝ドラ『ブラッサム』主演へ

石橋静河 女性芸能人
写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
石橋静河の写真

石橋静河さんは吉祥寺育ち、4歳でバレエを始めた女の子

2026年9月28日に放送が始まったNHKの連続テレビ小説『ブラッサム』。作家の宇野千代さんをモデルにした主人公、葉野珠を演じているのが石橋静河さんです。けれど石橋静河さんが最初に目指していたのは、俳優ではありませんでした。夢はバレエダンサー。10代の後半を海外のバレエスクールで過ごし、帰国後はコンテンポラリーダンサーとして舞台に立っていた人です。

石橋静河さんは1994年7月8日、東京都で生まれました。父は歌手で俳優の石橋凌さん、母は俳優の原田美枝子さんです。生まれ育ったのは吉祥寺。子どものころはほとんど吉祥寺から出たことがなかったそうで、井の頭公園の池のほとりでお弁当を食べたり、となりの「井の頭自然文化園」に出かけたりするのが好きだったといいます。

バレエを始めたのは4歳のときです。中学2年生になると、本格的に学ぶために横浜のバレエ教室へ通うようになりました。緑の多い街で育った女の子が、少しずつ踊りの世界にのめりこんでいく姿が浮かびます。

15歳で海外へ、ボストンとカルガリーでバレエを学ぶ

15歳のとき、石橋静河さんは日本を離れます。留学先はアメリカのボストンと、カナダのカルガリーにあるバレエスクールでした。家族のもとを離れ、言葉もちがう土地で、毎日レッスンに打ちこむ日々です。特技に英会話を挙げているのも、この留学の時間があったからこそでしょう。

この留学中に、石橋静河さんはもうひとつの出会いをしています。演劇です。お芝居のおもしろさに衝撃を受けたと語っています。とはいえ、すぐに俳優を目指したわけではありません。両親の仕事を間近で見てきたぶん、かんたんな世界ではないと感じていたからです。

2013年に帰国すると、石橋静河さんはコンテンポラリーダンサーとして活動を始めます。コンテンポラリーダンスは、クラシックバレエのような決まった型にしばられず、体の動きで自由に表現するダンスのことです。バレエで鍛えた体を土台に、新しい表現を探す時間が続きました。

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ダンサーから俳優へ、石橋静河さんが芝居を選んだわけ

ダンサーとして舞台に立ちながら、石橋静河さんは「もっといろんな人、いろんな面白いことに出会いたい」と考えていたそうです。ちょうどそのころ、事務所から「芝居をやってみては」と声がかかりました。留学中に感じた演劇のおもしろさが、ここでつながります。

2015年のはじめから俳優としての活動をスタート。同じ年の9月、ROGOの舞台『銀河鉄道の夜 2015』でデビューしました。翌2016年には、野田秀樹さんが演出するNODA・MAPの第20回公演『逆鱗』に出演します。デビューしてすぐに、日本の演劇界を代表する演出家の舞台に立ったことになります。

2016年10月公開の映画『少女』では、クラスメイト役を演じるかたわら、振付補佐も担当しました。踊ってきた経験が、そのまま現場で生きた仕事です。同じ年には大塚製薬「ポカリスエット イオンウォーター」のCMにも出演し、橋本愛さんと共演しています。2019年にはKAATの舞台『ビビを見た!』でビビ役を演じました。ダンサーとして積み上げてきたものを手放さず、少しずつ俳優の道を広げていった時期でした。

初主演の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』で新人賞をつぎつぎに

大きな転機は2017年に訪れます。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で、池松壮亮さんとのダブル主演をつとめ、美香役で映画初主演を果たしました。この作品は第67回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に入り、第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画の第1位に選ばれています。

石橋静河さん自身も、この年の新人賞を次々と受けました。第60回ブルーリボン賞新人賞、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第91回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞、第30回東京国際映画祭の東京ジェムストーン賞などです。なかでもブルーリボン賞新人賞は、1976年に母の原田美枝子さんも受けていて、史上初の親子受賞となりました。

同じ2017年には『PARKS パークス』の山口佐知子役、『密使と番人』のサチ役、『うつくしいひと サバ?』のマリエ役にも出演しています。『うつくしいひと サバ?』では、劇中でコンテンポラリーダンスを披露しました。デビューからわずか2年ほどで、映画界が注目する新しい顔になったのです。

はじめての朝ドラと『東京ラブストーリー』で広く知られる顔に

2018年、石橋静河さんはテレビドラマにも活躍の場を広げます。初めてのドラマは、NHK福岡放送局が制作した地域ドラマ『You May Dream』でした。シーナ&ザ・ロケッツのシーナさんを演じ、福山翔大さんとダブル主演をつとめています。

同じ年には、連続テレビ小説『半分、青い。』で朝ドラに初めて出演しました。佐藤健さんが演じるヒロインの幼なじみ、萩尾律の妻・より子役です。この役で、石橋静河さんの名前は一気に多くの人に知られるようになりました。映画では『きみの鳥はうたえる』のヒロイン佐知子役で、第28回日本映画批評家大賞の主演女優賞を受けています。同じ2018年には『泣き虫しょったんの奇跡』の南咲子役、『生きてるだけで、愛。』の美里役も演じました。

その後も話題作が続きます。2019年の映画『いちごの唄』では主演の天野千日役、2020年のTBS『この恋あたためますか』では北川里保役を演じました。そして2020年に配信、2021年にフジテレビで放送された『東京ラブストーリー』では、ヒロインの赤名リカ役に挑んでいます。2021年には『大豆田とわ子と三人の元夫』の三ツ屋早良役、映画『あのこは貴族』の相良逸子役も演じ、作品ごとにまったくちがう表情を見せていきました。

映画では2019年の『楽園』で田中紀子役、2020年の『人数の町』で木村紅子役、『ばるぼら』で甲斐加奈子役を演じています。2022年の映画『前科者』では、WOWOWのドラマ版から続けて斉藤みどり役をつとめました。音楽の仕事も多く、星野源さんの「折り合い」や米津玄師さんの「がらくた」のミュージックビデオにも出演しています。

『鎌倉殿の13人』の静御前から『燕は戻ってこない』の主演へ

2022年には、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で静御前を演じました。源義経とゆかりの深い白拍子の役です。白拍子とは、平安時代の終わりから鎌倉時代にかけて、歌いながら舞を見せた女性の芸人のことです。踊りを体の芯から知る石橋静河さんにとって、深く重なる役だったのではないでしょうか。同じ年にはNHK BSの時代劇『まんぞく まんぞく』で主演の堀真琴役もつとめています。

2023年はNHK『探偵ロマンス』で村山隆子と相馬京子の1人2役、テレビ朝日『ノッキンオン・ロックドドア』で穿地決役を演じました。舞台では木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』や、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』の瑞穂ユウ役にも出演しています。映画のほかに舞台にも立ちつづけているのは、デビューのころから変わりません。

2024年には、NHKドラマ『燕は戻ってこない』で主演の大石理紀役を演じました。生活に追いつめられ、代理出産を引き受ける女性という難しい役です。この演技で、東京ドラマアウォード2024の主演女優賞を受けました。同じ年にはテレビ朝日『ブラック・ジャック』でドクター・キリコ役にも挑み、2025年にはNHK『リラの花咲くけものみち』で静原夏菜役を演じています。

石橋静河さんの素顔、ギターとアルパカと緑の街

仕事を離れた石橋静河さんの顔ものぞいてみます。趣味はギター、特技は英会話とダンスです。好きな動物はアルパカで、「たぶん、前世はボリビアのアルパカ飼い」と話したこともあります。凛とした役の多い人だけに、ちょっと意外でほほえましい一面です。

吉祥寺を離れて一人暮らしを始めたとき、最初に感じたのは「都心には緑が少ない」ということだったそうです。大人になって自然の大切さに気づけたのは、自然の豊かな吉祥寺で育ったからかもしれない、とふり返っています。

CMでも長く親しまれています。2017年のユニクロのCMでは、姉でシンガーソングライターの優河さんと共演しました。ほかにもJR東日本「行くぜ、東北。」、サントリー「サントリー天然水」、マツコ・デラックスさんと共演した花王「ピュオーラ泡ハミガキ」、Honda「VEZEL」など、多くの作品に出ています。NHK『ドキュメント72時間』では、ときどきナレーションも担当しています。2022年には写真集『月刊 石橋静河』も出しました。

朝ドラ『ブラッサム』の主演、宇野千代さんをモデルにした葉野珠へ

2025年9月1日、石橋静河さんはそれまでのPlageを離れ、ヒラタインターナショナルへ移ったことを発表しました。そして2026年度後期の連続テレビ小説『ブラッサム』で、朝ドラの主演をつとめることになります。『半分、青い。』で初めて朝ドラに出てから、8年ほどでつかんだ真ん中の役です。

『ブラッサム』は、明治、大正、昭和を駆け抜けた作家、宇野千代さんをモデルにしたオリジナルの物語で、脚本は櫻井剛さんです。題の「ブラッサム」は、英語で花が咲くことを表す言葉です。撮影は、宇野千代さんのふるさとである山口県岩国市でも行われました。

2026年は映画でも出演が続いています。8月21日公開の『八月の声を運ぶ男』映画版では立花ミヤ子役、9月25日公開の『ナギダイアリー』では坂下友梨役を演じました。11月27日公開予定の『このごにおよんで愛など』では潤奈役を演じます。バレエからダンス、舞台、映画、ドラマへと、表現の場を少しずつ広げてきた石橋静河さん。葉野珠という役を通して、これからどんな花を咲かせていくのか楽しみです。

写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 (Wikimedia Commonsより)

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