山田孝之さん 15歳で鹿児島から上京 丑嶋馨と勇者ヨシヒコを経て『国民クイズ』主演へ

山田孝之 男性芸能人
写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
山田孝之の写真

『国民クイズ』で名物司会者になる山田孝之さん

2026年12月17日、Netflixで全8話が一挙に世界配信されるシリーズ『国民クイズ』。山田孝之さんはこの作品で主演を務め、クイズに勝てばどんな願いも政府がかなえてくれる番組「国民クイズ」の司会者・K井K一を演じます。原作は杉元伶一さん原作、加藤伸吉さん作画の同名漫画で、監督は吉田照幸さん、脚本はマギーさんと吉田さんです。

出演を決めた理由について、山田さんは「40年近く前のストーリーはとても刺激的な内容でしたが、現代に伝えるべきメッセージも多くあると思い出演を決めました」と語っています。さらに「微力ながらも脚本制作に携わらせていただいております」とも明かしました。演じるだけでなく、作品づくりそのものにも関わっているのです。

俳優、声優、ナレーター、歌手、映画監督、プロデューサー。いくつもの顔を持つ山田さんですが、出発点は鹿児島の中学生でした。15歳で上京した少年が、どのようにして今の場所にたどり着いたのか。作品と役名でたどります。

那覇で生まれ鹿児島で育った少年時代

山田孝之さんは1983年10月20日、沖縄県那覇市で生まれ、鹿児島県川内市(現在の薩摩川内市)で育ちました。生まれは沖縄、育ちは鹿児島と、南の土地で少年時代を送っています。歌手のSAYUKIさんと俳優の椿かおりさんは、実の姉です。椿さんとはのちに、山田さんの主演映画『ミロクローゼ』で共演しました。共演は偶然で、撮影がすべて終わったあとに、監督にだけ姉弟だと明かしたそうです。

デビュー前の山田さんは、スカウトの人が女の子とまちがえるほどの美少年でした。ところが本人は、それをコンプレックスに感じていたといいます。男らしくなりたいと、ヒゲが濃くなるように自分の顔をたたいていたそうで、実際にヒゲは濃くなりました。今ではすっかりおなじみのヒゲの印象は、少年時代の小さな努力から始まっていたのです。

1998年、川内市立川内南中学校3年の2学期が終わったあと、家族で鹿児島から東京へ移ります。15歳の冬のことでした。

あわせて読みたい:志田未来の生い立ちと軌跡はこちら

『WATER BOYS』と『世界の中心で、愛をさけぶ』で主演俳優に

上京の翌年、1999年10月に始まった日本テレビのドラマ『サイコメトラーEIJI2』のタカユキ役で、山田さんは俳優デビューを果たします。2000年にはNHK教育『六番目の小夜子』で関根秋を、NHK大河ドラマ『葵 徳川三代』で竹千代(のちの徳川家光)を演じました。2001年に始まったNHK連続テレビ小説『ちゅらさん』では古波蔵恵達を演じ、続編の『ちゅらさん2』『ちゅらさん3』にも出演しています。

2002年には、シングル『真夏の天使 〜All I want for this Summer is you〜』で歌手としてもデビューしました。2003年、フジテレビ『WATER BOYS』の進藤勘九郎役で、連続ドラマに初主演します。2004年にはTBS『世界の中心で、愛をさけぶ』で松本朔太郎を演じ、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演男優賞を受賞しました。

同じ2004年には、エランドール賞の新人賞を受け、東京地下鉄の初代イメージキャラクターにも選ばれています。東京地下鉄のイメージキャラクターを務めた男性は、2017年の時点で山田さんだけでした。デビューから5年ほどで、青春ドラマの主役として全国に名前が知られるようになったのです。

『電車男』『白夜行』から『クローズZERO』の転機へ

2005年、山田さんは『電車男』で、単独では初めて映画の主演を務めます。同じ年のTBS『H2〜君といた日々』では国見比呂を演じました。2006年のTBS『白夜行』では桐原亮司を演じ、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の主演男優賞をふたたび受賞しています。同じ年の映画『手紙』では武島直貴を演じ、TBS『タイヨウのうた』では藤代孝治を演じました。

大きな転機は、2007年秋に公開された三池崇史監督の映画『クローズZERO』でした。芹沢多摩雄を演じたこの作品から、ワイルドな役が増えていきます。第50回ブルーリボン賞では、20代でただ一人、助演男優賞にノミネートされました。『イキガミ』『クローズZERO II』、フジテレビ『BOSS』などでは、長髪と無精ひげでそれまでとは違う顔を見せています。

2010年には三池監督の『十三人の刺客』で島田新六郎を演じ、第67回ヴェネツィア国際映画祭に役所広司さんらと参加しました。同じ年の10月には、アメリカのエンターテインメントメディア『ハリウッド・リポーター』で、世界の注目俳優10人の1人として紹介されています。日本人では山田さんだけでした。2011年にはニューヨーク・アジア映画祭で、スター・アジア・ライジング・スター賞を日本人として初めて受賞しています。

丑嶋馨と勇者ヨシヒコ、正反対の当たり役

2010年、毎日放送・TBSのドラマ『闇金ウシジマくん』で、山田さんは主人公の丑嶋馨を演じます。ドラマはSeason3まで続き、映画も2012年から2016年までに4作が公開される人気シリーズになりました。

その一方で、2011年に始まったテレビ東京の深夜ドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』では、勇者ヨシヒコを演じています。監督の福田雄一さんは、前例のない冒険活劇であることや深夜枠であることから、主演探しに苦労していました。そこで山田さんに直接メールで頼んだところ、わずか数分後に、やりたい仕事なら局や放送時間は問わないという返事が来たと、福田さんはコラムで明かしています。作品は好評で、シリーズは3作まで作られました。

2012年は『のぼうの城』の大谷吉継、『悪の教典』の柴原徹朗、『その夜の侍』の木島宏で、第34回ヨコハマ映画祭の助演男優賞を受けました。大谷吉継を演じるために伸ばしたヒゲは、ウシジマくんでも自分のヒゲで演じ続けたことで、山田さんのトレードマークとして定着していきます。2013年の映画『凶悪』では藤井修一を、2014年の『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』では月原旬を演じています。

監督やプロデューサーとしての山田孝之さん

2015年、テレビ東京の『山田孝之の東京都北区赤羽』で、山田さんは本人役として主演します。清野とおるさんの漫画『東京都北区赤羽』をもとに、赤羽の住人とのふれあいを、山下敦弘監督に撮ってもらうという形のドキュメンタリードラマです。2017年には、カンヌ国際映画祭への出品をめざして自主映画をつくる様子を描いた『山田孝之のカンヌ映画祭』も放送されました。

作る側の仕事も増えていきます。2018年の映画『ハード・コア』では権藤右近を演じながらプロデューサーも務め、2019年には映画『デイアンドナイト』をプロデュースしました。2021年には映画『ゾッキ』で、竹中直人さん、齊藤工さんとともに監督を務めています。Netflixのシリーズでは、2019年の『全裸監督』と2021年の『全裸監督2』で村西とおる役を演じました。

2014年にはミュージカル『フル・モンティ』で初舞台を踏み、その後も『シティ・オブ・エンジェルズ』『モンティ・パイソンのSPAMALOT』などに出演しています。2016年には赤西仁さんとユニット「JINTAKA」を結成し、2019年には綾野剛さん、内田朝陽さんとバンド「THE XXXXXX」を組みました。同じ2016年には、トランスコスモスと共同で会社を立ち上げ、取締役にも就いています。

服部半蔵から『イクサガミ』まで続く2020年代

2020年からはNHK『光秀のスマホ』シリーズで明智光秀や近藤勇、天海などを演じ、2023年の大河ドラマ『どうする家康』では、第5回から第38回まで服部半蔵を演じました。同じ2023年3月には、NHKのアニメ『夜廻り猫』で遠藤平蔵の声を担当しています。

2024年も話題作が続きます。映画『十一人の賊軍』では仲野太賀さんとのダブル主演で政を、映画『正体』では又貫征吾を演じました。Netflix『忍びの家 House of Ninjas』の辻岡、ディズニープラス『七夕の国』の丸神頼之、Netflix『地面師たち』のナレーションと、配信作品でも存在感を見せています。同じ2024年2月には、琉球放送の歴史ドラマ『阿麻和利』で与勝大家を演じました。

2025年は、Netflixで配信された3作品に出演しました。シリーズ『グラスハート』のレージ、映画『グッドニュース』の運輸政務次官・石田真一、そしてシリーズ『イクサガミ』の安藤神兵衛です。声の仕事では『名探偵コナン 隻眼の残像』で大友隆(鷲頭隆)を担当し、年末には映画『新解釈・幕末伝』で桂小五郎を演じました。2026年の『新劇場版☆ケロロ軍曹 復活して速攻地球滅亡の危機であります!』では、声でヨシヒコをふたたび演じています。

ネコと水曜どうでしょうが好きな素顔とこれから

ナレーターとしての山田さんの声を、テレビで聞いたことのある人も多いはずです。NHKスペシャル『新・映像の世紀』や『映像の世紀 バタフライエフェクト』、NHK BSプレミアム『岩合光昭の世界ネコ歩き』などで語りを担当してきました。2018年からはNHK『ダーウィンが来た!』の中のアニメ『マヌ〜ルのゆうべ』で、マヌルネコのマヌ子ママの声を担当しています。2026年10月2日公開の『劇場版ダーウィンが来た!世界のネコのなかまたち』でも、同じマヌ子ママを演じました。2017年には、テレビ東京で『緊急生放送! 山田孝之の元気を送るテレビ』という特別番組も放送されています。

北海道テレビ『水曜どうでしょう』のファンで、好物は赤身の肉です。体を鍛えるために赤身を食べると話し、焼肉店でロースなど赤身ばかり食べていたこともあるそうです。2016年には、書籍『実録山田』も出版しています。

これからも新しい作品が続きます。12月には主演の『国民クイズ』が配信され、2027年1月からはディズニープラスの『ナイト・テイルズ・クラブ』で、メイン・ストーリーテラーの豊穣是一を演じる予定です。演じること、語ること、作ることを行き来しながら、山田孝之さんは今も新しい役に挑み続けています。

写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 (Wikimedia Commonsより)

Follow me!

コメント

error: Content is protected !!
トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました