高橋文哉の経歴、調理師免許をもつ料理人志望から仮面ライダーゼロワン、朝ドラ『あんぱん』へ

高橋文哉さんは春日部生まれ、料理人を夢みた少年

2026年1月、長編アニメーション映画『クスノキの番人』で主人公・直井玲斗の声を担当し、長編アニメ映画で初めて主演をつとめた高橋文哉さん。夏には映画『ブルーロック』で主人公の潔世一を演じ、10月にはカンテレ・フジテレビ系『南田南弁護士は天才肌』の放送も始まりました。けれど10代のころに思い描いていたのは、俳優ではなく料理人として生きる道でした。

高橋文哉さんは2001年3月12日、埼玉県春日部市で生まれました。3人兄弟の末っ子です。文哉という名前は、歌手の藤井フミヤさんにちなんだもの。お母さんが藤井フミヤさんから思いついて名づけたそうです。

中学3年生まではバレーボール部に入っていました。高校は、野田鎌田学園高等専修学校の調理高等科へ。料理の道を本気で目指す進路を選び、2019年3月に卒業するときには、調理師免許と高校の卒業資格の両方を手にしていました。特技に料理を挙げるのは、こうした下地があるからです。

応募者1万人の頂点へ、男子高生ミスターコンでつかんだ入口

人生の向きが変わったのは、調理を学んでいた高校時代です。2017年6月、高橋文哉さんは男子高生ミスターコン2017にエントリーしました。秋にはAbemaTVの『男子高生ミスターコンTV』にも登場し、12月24日、応募者1万人のなかからグランプリに選ばれます。

ここから芸能の仕事が始まりました。所属はA-PLUSです。2018年4月12日には、日本テレビ『得する人損する人』で地上波に初めて出演しました。そこで挑んだのが、ウル得マンとの料理対決。結果は高橋文哉さんの勝ちでした。料理人を目指して積んできた練習が、テレビの初舞台でそのまま力になったことになります。

料理の道から芸能の道へ。高校2年生の冬に、進む先は大きく変わりました。それでも、調理高等科での勉強は途中でやめず、卒業まで続けています。学んできたことはむだになっていません。このあと料理は、俳優としての大きな仕事にもつながっていきます。

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舞台に恋愛リアリティ番組、ランウェイで重ねた最初の1年

2018年は、いろいろな現場を経験した1年でした。4月18日から22日まで、東京・シアター1010で上演された舞台『大正浪漫探偵譚 -六つのマリア像-』に、ぴょん(宇佐美登)役で出演。これが初めての舞台です。

7月29日から10月14日にかけては、AbemaTVの『太陽とオオカミくんには騙されない』に出演しました。NHK Eテレの『#ジューダイ』にも顔を見せ、11月25日には第7回渋谷ストリート・ベストドレッサー賞の渋谷ストリート部門を受けています。

2019年に入ると、2月からTwitterで配信されたドラマ『ふたりぼっち』で丸目三鶴役を演じ、橋本裕太さんの『ボクラセダイ』のミュージックビデオにも出演しました。3月には神戸コレクションと関西コレクションのランウェイを歩き、emioneやEAST BOYのイメージモデルもつとめます。演技、モデル、バラエティ。デビューからの1年あまりで、仕事の幅は一気に広がりました。

21世紀生まれ初の主役ライダー、『仮面ライダーゼロワン』の飛電或人

大きな転機は2019年9月1日にやってきます。テレビ朝日の特撮ドラマ『仮面ライダーゼロワン』で、主人公の飛電或人、仮面ライダーゼロワンを演じることになったのです。主役ライダーを演じる俳優として、21世紀生まれは高橋文哉さんが初めてでした。調理高等科を卒業してから、わずか半年後のことです。

放送は2020年8月30日まで、およそ1年続きました。物語のなかでは仮面ライダーゼロツーや仮面ライダーアークワンにも変身しています。同じころ、映画では2019年7月の『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』にゼロワン役で登場し、12月の『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』では主演をつとめました。

2020年12月18日公開の『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』では、映画で初めて単独主演を任されます。その少し後、12月26日には1st写真集『架け橋』も出しました。1年間の主役を走りきったことで、高橋文哉さんの名前は子どもから大人まで広く知られるようになりました。

『最愛』の朝宮優で新人賞、高橋文哉さんが広げた役の幅

ゼロワンのあとは、ドラマへの出演が次々と続きます。2020年10月にはテレビ朝日『先生を消す方程式。』で藤原刀矢役。2021年にはMBSほか『夢中さ、きみに。』の二階堂明役、TBS『着飾る恋には理由があって』の秋葉亮役、テレビ東京『うきわ』の佐々木誠役と、ヒーローとはまったくちがう役に挑みました。8月には映画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル』で荻野コウを演じています。

なかでも評価を集めたのが、2021年10月からのTBS『最愛』の朝宮優役です。この役で2022年2月、第31回TV LIFE年間ドラマ大賞の新人賞を受けました。テレビドラマの賞を受けたのは、これが初めてです。

2022年は、関西テレビ・フジテレビ『ドクターホワイト』の佐久間新平役、日本テレビ『悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』の山瀬修役、TBS『君の花になる』の佐神弾役、映画『牛首村』の倉木将太役と、出演作がずらりと並びます。7月には第32回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でニューウェーブアワードの男優部門を受け、11月には『日経トレンディ』の「2023年 来年の顔」にも選ばれました。

『フェルマーの料理』と日本アカデミー賞、夢の料理がドラマで重なった

2023年は、主演作が続いた年です。1月にはフジテレビ『女神の教室〜リーガル青春白書〜』の真中信太郎役で月9ドラマに初出演。6月には劇場アニメ『ブラッククローバー 魔法帝の剣』でジェスター・ガランドロスの声を担当し、7月7日公開の映画『交換ウソ日記』では瀬戸山潤役で、恋愛映画に初めて主演しました。

そして10月20日、TBS『フェルマーの料理』で北田岳を演じ、TBSのゴールデン・プライム帯の連続ドラマで初めて主演をつとめます。料理を題材にした作品で、料理人を目指していた高橋文哉さんが主役を演じる。高校で学んだ調理の経験と、俳優としての仕事がここで一つに重なりました。

2024年1月25日には、『交換ウソ日記』で第47回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受けます。映画の賞はこれが初めてです。1月18日からは日本テレビ『ぐるぐるナインティナイン』の「グルメチキンレース・ゴチになります!」の新メンバーに選ばれ、2025年12月25日まで出演しました。この年はテレビ朝日『伝説の頭 翔』で山田達人と伊集院翔の二役を演じて主演し、映画では『君と世界が終わる日に FINAL』の柴崎大和役、『からかい上手の高木さん』の西片役、『ブルーピリオド』のユカちゃん(鮎川龍二)役、主演の『あの人が消えた』の丸子夢久郎役と、多くの作品に出ています。

朝ドラ『あんぱん』から『ブルーロック』へ、高橋文哉さんの2025年と2026年

2025年2月には第49回エランドール賞の新人賞を受けました。3月20日公開の映画『少年と犬』では中垣和正役で主演。7月には『夏の砂の上』に立山役で出演しています。

5月1日からは、NHK連続テレビ小説『あんぱん』に辛島健太郎役で登場しました。朝ドラへの出演はこれが初めてで、第24回から第129回まで、9月25日まで出演しています。年末の12月31日には、第76回NHK紅白歌合戦の『あんぱん』スペシャルステージにも辛島健太郎として立ちました。11月28日には、GQ MEN OF THE YEAR 2025のブレイクスルー・アクター賞も受けています。

2026年は、さらに大きな作品が続きました。1月30日公開の『クスノキの番人』で直井玲斗の声を担当し、4月29日公開の映画『SAKAMOTO DAYS』では朝倉シン役。7月10日から9月11日まではTBS『Tシャツが乾くまで』で矢野直人を演じ、8月7日公開の映画『ブルーロック』では主人公の潔世一役で主演しました。10月19日に放送が始まった『南田南弁護士は天才肌』では、芦田愛菜さん演じる主人公を支える、法律事務所のパラリーガル・船井湊人を演じています。

ボウリングとカメラと料理、高橋文哉さんの素顔とこれから

仕事の外では、ボウリング、ゲーム、ゴルフが趣味です。動画配信アプリも好きだといいます。苦手な食べ物はゴーヤとピーマン。好きな色は黒、白、水色です。雑誌では、TV LIFEで料理をテーマにした『食de世界旅行』を、SODAでは自分で撮った写真を載せる『FUMIYAのカメラ月記』を連載してきました。日経エンタテインメント!では『未来へのスイッチ』の連載も続けています。

ラジオの『高橋文哉のオールナイトニッポンX』では、2024年4月から毎週水曜日(火曜日深夜)のレギュラーパーソナリティをつとめています。CMはミツカンやすき家などに出演し、「やかんの麦茶」のWebドラマでは野原しんのすけ役を演じました。目標の俳優として名前を挙げているのは、窪田正孝さんです。

2026年12月には、WOWOWの『連続ドラマW 告解』で、田中泯さんとW主演をつとめる予定です。薬丸岳さんの小説が原作で、高橋文哉さんが演じるのは、実刑判決を受けた大学生の籬翔太。WOWOWのドラマに出るのは、これが初めてです。

料理人を目指していた高校生は、ヒーロー、恋愛映画、朝ドラ、アニメ映画の主演まで、役の幅を広げてきました。調理を学んだ日々に積んだ努力が、作品ごとに形を変えて生きています。高橋文哉さんが次にどんな役と出会うのか、楽しみに待ちたいところです。

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