櫻井海音、高校生フットサル選抜からドラム、俳優へ『ブルーロック』までの歩み

2026年8月公開の実写映画『ブルーロック』で、蜂楽廻を演じた櫻井海音さん。ドラマ『VIVANT』では主人公の18歳のころを演じ、『【推しの子】』では主演をつとめた俳優です。ところが、櫻井さんの歩みは演技から始まったわけではありません。10年以上続けたサッカー、高校生の選抜チームで出たフットサルの国際大会、中学2年で始めたドラム。遠回りに見える道のりが、ある役で一本につながります。

櫻井海音さんの原点は幼稚園で始めたサッカー

櫻井海音さんは2001年4月13日に生まれました。読み方は「さくらい かいと」です。サッカーを始めたのは幼稚園のころで、子どものころの夢はプロサッカー選手でした。

小学校時代はセレクション(入団や入校のための選考)を受けて、FC東京サッカースクールのアドバンスクラスに通います。中学生になると、東京ヴェルディのジュニアユースに入りました。ジュニアユースは、プロクラブが育てる中学生年代のチームです。2015年のCOPA ZELVIA U-14ではチームが優勝し、櫻井さんは大会のMVPに選ばれました。

まわりの顔ぶれもにぎやかです。のちにプロで活躍する馬場晴也さん、藤田譲瑠チマさん、山本理仁さんは、ヴェルディのジュニアユースでともにプレーした同期でした。石浦大雅さんは中学も高校も同じ親友だと、櫻井さんは語っています。久保建英さんは小学生のころからのサッカー仲間で、通っていた高校も同じでした。

高校に進むと、サッカーからフットサルに移ります。フットサルは1チーム5人でおこなう、サッカーに近い競技です。2019年にはイタリアで開かれた高校生年代の国際大会、オルビエートカップに選抜チームの一員として出場し、優勝しました。

中学2年で始めたドラムがインナージャーニーへ

スポーツと並んで、櫻井さんにはもう一つの顔がありました。ドラムです。始めたのは中学2年のときで、サッカーと並ぶ特技です。尊敬するアーティストには、スピッツさんを挙げています。

2019年7月20日、バンドコンテスト『未確認フェスティバル2019』への出場をきっかけに、ソロで活動していたカモシタサラさんのサポートバンドとして、インナージャーニーが生まれました。櫻井さんはKaito(カイト)の名前でドラムを担当します。フットサルの国際大会で優勝した年と、バンドを組んだ年は、どちらも2019年でした。

櫻井さんはのちのインタビューで、ここまでの流れを自分の言葉で振り返っています。小さいころから10年以上サッカーを続けたものの、サッカー選手にはなれなかった。その後に音楽を始め、そこから俳優を始めた、という順番です。リアルサウンド映画部の2026年8月の記事で語っていました。バンドを組んだ翌年の2020年から、俳優の仕事が始まります。

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俳優デビューは朝ドラ『エール』、Kaitoから櫻井海音へ

2020年11月、Kaito名義で『あざとくて何が悪いの?』のミニドラマにユウスケ役で出演します。同じ月の24日には連続テレビ小説『エール』に根来役で登場しました。NHKの朝ドラへの初出演で、これが俳優デビューとされています。

2021年1月2日にはTBSのスペシャルドラマ『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル!!』に相場役で出演しました。民放のドラマに出たのは、これが初めてです。

大きな区切りは2021年5月20日に来ました。個人で活動するときの名前を、本名の櫻井海音に変え、公式サイトを開いたのです。櫻井さんはこのとき、20歳の節目に、俳優として前に進むための意思表明だと説明しました。この名前を誰のものでもなく、一から自分のものにするために日々努力していきたい、という趣旨のコメントも出しています。十字架のような気持ちで背負っていきたい、という言葉も添えられていて、覚悟の重さが伝わってきます。

一方で、バンドの音楽活動はKaito名義のまま続けました。俳優の櫻井海音さんと、ドラマーのKaitoさん。しばらくの間、二つの名前で活動することになります。

月9から声優、舞台まで、次々と初めての現場へ

改名した年から、初めての仕事が続きます。2021年のフジテレビ系『ナイト・ドクター』では新村風太役を演じました。月9への初出演で、連続ドラマのレギュラーもこれが初めてです。同じ年のアニメーション映画『100日間生きたワニ』では、バンドマン役で声優に初めて挑戦しました。秋には『つまり好きって言いたいんだけど、』の藤代瀬那役、『顔だけ先生』の市川大輔役と、ドラマの出演が重なります。

2022年は映画と舞台に広がった年です。2月公開の『嘘喰い』で切間創一役を演じ、映画に初めて出演しました。ドラマでは『未来への10カウント』の江戸川蓮役、『差出人は、誰ですか?』の成田育役を演じています。7月から8月にかけては、東京の本多劇場で上演された『鎌塚氏、羽を伸ばす』で真鍋リョウスケ役をつとめ、これが初舞台になりました。

テレビの仕事も続きました。2021年4月から2025年3月まで、TBSの情報番組『王様のブランチ』にレギュラーで出演しています。2023年にはNetflixの『君に届け』で真田龍役も演じました。約3年の間に、ドラマ、映画、声優、舞台、情報番組と、活動の場を一つずつ増やしていったことが、出演歴からよく分かります。

櫻井海音さんが『VIVANT』で演じた18歳の乃木憂助

2023年7月期に放送されたTBS日曜劇場『VIVANT』。櫻井さんは2023年8月13日放送の第5話に、18歳のときの乃木憂助役で出演しました。乃木憂助は堺雅人さんが演じる主人公で、櫻井さんはその若いころを担当した形です。なお『VIVANT』は、第2シーズンの放送が2026年7月に始まりました。

この2023年は櫻井さんにとって節目の年でもありました。9月1日、自身のインスタグラムと公式サイトで、インナージャーニーを脱退すると発表します。結成4周年を記念して10月6日に開かれたワンマンライブ『インナージャーニーといっしょvol.4 -ラストソング編-』が、最後のステージになりました。2019年から4年あまり続いたドラマーの時期に、ここで区切りをつけています。

同じ9月には、俳優としても大きな一歩がありました。9月22日に始まったWOWOWの連続ドラマW-30『アオハライド Season1』で、出口夏希さんとダブル主演をつとめ、馬渕洸役でドラマ初主演を果たしたのです。Season2は2024年1月に始まりました。2023年秋にはテレビ朝日系『泥濘の食卓』の那須川ハルキ役も演じています。

『【推しの子】』で単独初主演、原作を見直しながらの撮影

2024年11月28日、Amazon Prime Videoでドラマ『【推しの子】』の配信が始まりました。櫻井さんはアクア役で、ドラマの単独初主演を果たします。12月20日には続きを描く映画『【推しの子】-The Final Act-』が公開され、こちらが映画の初主演になりました。

リアルサウンド映画部が2024年8月に伝えたコメントによると、櫻井さんは話が来る前から原作を読んでいて、実写になるならアクアを演じたいと思っていたそうです。人気の高い作品だけにプレッシャーは大きかったものの、演じたい気持ちのほうが上回り、監督やプロデューサーとの最初の話し合いで、ほかの人に渡したくないと率直に伝えました。

撮影は4カ月以上におよびました。櫻井さんは場面を撮る前に毎回、原作の同じ場面を見直し、表情や動き、座っているか立っているか、手をポケットに入れているかどうかまで確かめて臨んだといいます。原作者の赤坂アカさんと横槍メンゴさんに初めて会ったときは、緊張で棒立ちになったと笑って振り返りました。

2025年も出演が続きます。TBS『御上先生』の津吹隼人役、映画『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』のナツキ役、『お嬢と番犬くん』の田貫幹男役、『カラダ探し THE LAST NIGHT』の一ノ瀬陸人役、毎日放送『死ぬまでバズってろ!!』の渡辺優斗役などです。

櫻井海音さんのサッカーがつながった『ブルーロック』の蜂楽廻

2026年8月7日、高橋文哉さん主演の実写映画『ブルーロック』が公開されました。櫻井さんが演じたのは、サッカーを心から楽しむ蜂楽廻です。原作をもともと読んでいた櫻井さんは、プロデューサーたちから、この役は本当にサッカーができないと演じられないと聞いていたそうです。

公開日の取材をまとめたリアルサウンド映画部の記事で、櫻井さんは特に印象に残った場面に5人抜きを挙げています。5人をかわしたあと、軸足の後ろから蹴るラボーナという技でループシュートを決める場面で、2テイクほどで成功し、現場も盛り上がったそうです。撮影の合間もキャストどうしでずっとボールを蹴り、まるでサッカー部の合宿のような毎日でした。俳優の中でいちばんサッカーがうまい人を目指している、と笑って話しています。座長の高橋さんには尊敬しかなかったと語り、撮影中はその背中を追い、どう支えられるかを考えていたそうです。

同じ記事で櫻井さんは、この作品に出られたことで「あれだけサッカーをやってきたことは無駄じゃなかったんだな」と救われた気持ちになったと語りました。出演できていなければ俳優を辞めていたかもしれないと、笑いまじりに話すほどです。そして、この役を自分の俳優人生の転機の一つだと位置づけています。サッカー選手にはなれなかった年月が、ここで仕事になりました。

素顔はサッカー好きのまま、これからの出演作

仕事を離れても、櫻井さんの話にはボールが出てきます。趣味はフットサルで、『差出人は、誰ですか?』で共演した三浦獠太さん、駒木根葵汰さんとは同じフットサルチームの仲間です。『ブルーロック』の取材では、前の日にもプライベートでサッカーをしていたと話していました。生まれ変わったらなりたい有名人に、リオネル・メッシさんの名前を挙げています。

好きなものも公に語っています。漫画は『ワンピース』、映画は『海よりもまだ深く』、食べ物は焼き鳥です。憧れの俳優は役所広司さん。いつか共演してみたいミュージシャンは、尊敬するスピッツさんで、共演してみたい有名人には東海オンエアさんを挙げました。ドラマ『死ぬまでバズってろ!!』で与田祐希さんと共演したときには、自分は秋元真夏さんのファンだと打ち明けたそうです。

2026年も仕事は続いています。1月からはWOWOWの『ストロボ・エッジ Season2』に『アオハライド』と同じ洸の役で出演しました。6月にはORANGE RANGEさんの「1000%」のミュージック・ビデオで主演をつとめています。映画では10月16日公開の『わたしの知らない子どもたち』に出演しました。西川美和さんが監督をつとめた作品です。さらに2026年12月18日公開予定の『人生を変えたコント』には黒川役で出演します。サッカー、ドラム、演技と続いてきた歩みの次の役を、劇場で確かめることができます。

参考:櫻井海音の詳しいプロフィール(Wikipedia)

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