バルサラハガバ・バトボルド、児童劇から『ZURA』そして『VIVANT』チンギス役へ

ドラマ『VIVANT』で、バルカ警察の警察官チンギスを演じたバルサラハガバ・バトボルドさん。モンゴルの首都ウランバートル出身の俳優で、ファンの間では愛称の「バルサー」で親しまれています。日本で広く知られたのは2023年ですが、モンゴルでの出演歴は2002年までさかのぼります。児童劇に出て、友人と事務所を立ち上げ、アパレルの会社も経営する人です。作品名と年で順に見ていきます。

バルサラハガバ・バトボルドさんの生い立ち、ウランバートルから演劇の道へ

バルサラハガバ・バトボルドさんは1986年2月26日生まれ、モンゴル国ウランバートルの出身です。モンゴル語では「Батболдын Барслхагва」、英語では「Barslkhagva Batbold」と書きます。肩書は俳優、プロデューサー、実業家の三つです。

モンゴル国立芸術文化大学の演劇クラスに入り、テレビと演劇で仕事を始めました。

日本語にするときの発音が難しいため、カタカナの表記はメディアによって違います。「バルサラハガバ・バタボルド」や「バルスルハグヴア・バトボルド」と書かれたこともあります。そこでファンの間では、愛称のバルサーで呼ぶことが多いそうです。インタビューの自己紹介でも「私の名前はバルサラハガバ・バトボルドというモンゴルの俳優です」と話し、みんなが「バルサーさん」と呼んでくれると続けました。

2000年代のモンゴルで、児童劇とテレビから始まった出演歴

モンゴルの作品名は、資料にある表記のまま書きます。出演作の記録でいちばん古いのは2002年です。テレビシリーズ『Family of Monkhor』と、児童劇『Childhood of Temuujin』の名前があります。2002年は、バルサラハガバさんが16歳になる年です。

翌2003年には映画『One Class』と、児童ミュージカル『Maygle Child Musical Drama』に出ました。2004年には児童劇『History of Siddhartha』があります。舞台、テレビ、映画のどれにも、10代のうちから名前が残っていることになります。

その後はテレビ番組の仕事が続きます。2008年から2012年にかけての『Always Be Ready』、2009年の『Banker』です。

あわせて読みたい:前田公輝の生い立ちと軌跡はこちら

2008年に友人7人と立ち上げたFantastic Production

所属事務所のFantastic Productionは、2008年に友人7人と立ち上げた事務所です。バルサラハガバさんは、ここに所属する俳優であり、立ち上げた一人でもあります。

2012年の『Welcome to Life』からは、映画の出演作が次々と並びます。2013年の『Single Ladies』に続いて、2014年は『Shock of Happiness』『My Brother Is Chieftain』『Code』の3本です。2015年は『247 Degree』『Wish』『Romance of Big-headed』『Top Secret 2』の4本がありました。

さらに2016年の『Age of 18』、2017年の『Heart Rampage』と続きます。2018年は『One Night』『Baitag Bogd』『Parallel World』『Spot』の4本です。2019年には映画『Буруу өрөг』『Cool Dad』のほか、テレビドラマ『37th Tochka』にも出ています。2012年から2019年までの映画だけで17本になります。

『ZURA』シリーズのガルズー・ガナー役と、海外作品への広がり

受賞歴には、2021年のモンゴル最優秀主演男優賞「シルバー・ツリー」トロフィーがあります。受賞の日付は2022年3月23日と記録されています。海外作品への出演が増えたのも、この2021年からです。

『ZURA』シリーズは、モンゴルで2020年に公開された犯罪とスパイのアクション映画です。バルサラハガバさんは続編の『ZURA II: Цурам ажиллагаа(ツラム作戦)』に2022年に出ました。役は派手で危険性のある犯罪者ガルズー・ガナーです。

2024年のシリーズ3作目『ZURA III: Цэвэрлэгээ(粛清)』でも、同じ役を演じました。この作品は公開から4日間で約6万6,939人を動員し、モンゴル映画の公開初動の記録を更新したと報じられています。2024年3月にはウランバートルで公開記念のイベントにも出ました。

海外との仕事では、ハンガリー、イギリス、モンゴルの共同制作映画『1242: Gateway to the West』があります。2023年に制作され、2025年に公開されました。

バルサラハガバ・バトボルドさんが『VIVANT』チンギス役に決まるまで

『VIVANT』との縁は2022年に始まります。バルサラハガバさんはその年の10月にモンゴルで『VIVANT』のオーディションを受けました。クランクイン!のインタビューでは、「11月からは別のハンガリー映画の撮影現場にいたのですが、そこでチンギス役に選ばれたというお話をいただいて、とても喜びました」と振り返っています。

作品は2023年7月16日から9月17日までTBSの日曜劇場で放送されました。役はバルカ警察の警察官チンギスです。演出と原作は福澤克雄さんが手がけました。2023年9月に公開されたインタビューの時点では、モンゴルではまだ放送されていなかったそうです。

チンギスの長い髪には監督との話し合いがありました。福澤さんから髪はそのままでと言われ、バルサラハガバさんは、警察官なのに長い髪でよいのかと伝えたそうです。すると返ってきたのは「チンギスは他の警官とは違う特別な存在だから問題ないし、長髪の方が恐ろしさが出る」という言葉でした。スキンヘッドの案も出ましたが、次の出演作が決まっていたこともあり、長い髪のままになりました。

撮影現場で残った思い出、モンゴルロケと誕生日の翌日

『VIVANT』の撮影はモンゴルでも行われました。日本から来る一行を、バルサラハガバさんは自分で空港まで迎えに行ったそうです。慣れない環境や食事を気にかけていたので、「皆さんが無事にモンゴルでの撮影を終えた時は、本当に嬉しく思いましたし、感動しました」と話しています。

誕生日の翌日には、福澤監督やキャストからサプライズがありました。本人は「一生の思い出になりました」と語っています。撮影が終わって、長く一緒にいた俳優やスタッフと離れることは「とても寂しいです」とも話しました。

共演者への言葉も残っています。役所広司さんについては「ご一緒できたことが夢のようです」と話しました。阿部寛さんとは同じ場面が多く、チンギスから見た野崎は「阿部さん以外考えられなかったと思います」と言います。福澤さんのことは「視聴者をどこで感動させるか、どこでワクワクさせるかを熟知している方です」と表現しました。移動の長いモンゴルでの撮影でも、みんなを引っ張る監督の姿にモンゴルのチームが勇気をもらっていたそうです。

初めての日本で知った人気と、仕事の外の素顔

「日本は以前から行ってみたいと思っていた国です」とバルサラハガバさんは話します。日本の文化と歴史に興味があり、サムライや忍者が出る映画を昔から見ていたそうです。初めて日本に来たのは2023年で、『VIVANT』の撮影のためでした。このときは両国国技館で開かれた、白鵬翔さんの引退相撲の会場も訪れています。放送が始まったあとの来日では、飛行機の中で「チンギスさん、一緒に写真お願いします!」と声をかけられたそうです。「こうやって私が皆さんに知られるようになったのは『VIVANT』のおかげです」とも話しています。

2023年9月10日には生放送の特別番組『VIVANT祭り』に出るため来日し、本番前には赤坂サカスでファンと交流しました。翌月にインテックス大阪で開かれたツーリズムEXPOジャパン2023では、モンゴルのブースで乾杯の音頭を取っています。

俳優の仕事の外ではモンゴルの伝統的なデザインを取り入れたアパレルブランドの会社BARSを経営しています。休みの日は家でよく絵を描くそうです。日本のアニメもよく見ていて、好きな作品に『ドラえもん』『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『NARUTO -ナルト-』『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『チェンソーマン』を挙げています。好きな日本食はすき焼きです。アメリカ映画の『SAYURI』を見て以来、役所広司さんのファンだとも紹介されています。

バルサラハガバ・バトボルドさんの2026年、第2シーズンとモンゴルでの活動

2026年7月26日に放送が始まった『VIVANT』第2シーズンにも、バルサラハガバさんはチンギス役で出演しています。同じ2026年の9月20日には、役のチンギスを主人公にしたサイドストーリー『チンギス―VIVANT THE ORIGIN STORY―』のU-NEXTでの配信が始まりました。

日本の外での仕事も続いています。2025年6月1日にはウランバートルの国立公園で開かれた「Milk Festival-2025」で司会を務めました。同じ6月にはフブスグル県トゥムルブラグ郡の創設100周年を記念した企画「ТӨМӨРБУЛАГ-100」にも出ています。

日本との行き来も2023年だけで終わっていません。2024年5月には、東京都練馬区の光が丘公園で開かれたイベント「Go Mongolia」に出演しました。モンゴルでは「ヘパリーゼ」のプロモーションにも、2023年と2024年に登場しています。2002年の児童劇から始まった出演歴に、日本のドラマのチンギス役が加わりました。

Follow me!

コメント

error: Content is protected !!
トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました