飯沼愛、バスケ部の副キャプテンから約9,000人の1位へ、『VIVANT』を経て主演女優賞

2023年の日曜劇場『VIVANT』で、丸菱商事の財務部に勤める太田梨歩を演じて注目された飯沼愛さん。あのとき飯沼さんは芸能界に入ってまだ2年ほどでした。入口になったのは、約9,000人が応募したテレビ局のオーディションです。それまでの飯沼さんは、香川県で育ち、小学校から高校までバスケットボールを続けてきた人でした。コートから日曜劇場まで、どんな順番で進んできたのかを見ていきます。

飯沼愛さんの生い立ち、香川のバスケットボール部から大阪でのスカウトへ

飯沼愛さんは2003年8月5日生まれ、香川県の出身です。小学校、中学校、高校と、ずっとバスケットボール部に入っていました。副キャプテンも務めています。キャプテンのとなりでチームをまとめる役目です。

高校時代の話として、朝にうどんをよく食べていたことも紹介されています。うどんで知られる香川の出身らしい話で、読んでいるとつい顔がゆるみます。のちに飯沼さんは地元のJAバンク香川のCMにも出演しました。2023年4月に始まったCMで、地上波で流れるのは香川県と岡山県だけです。

芸能の仕事に目が向いたのは高校1年生のときでした。大阪府でスカウトされたことがきっかけで、芸能活動に興味を持ったそうです。それまで打ちこんできたのはバスケットボールで、女優の道はこの出来事から見えてきたことになります。

憧れの女優として名前をあげているのは、橋本環奈さん、上白石萌音さん、浜辺美波さんの3人です。やがて飯沼さんはTBSのオーディション番組に挑むことになります。

約9,000人の中で1位に、飯沼愛さんが『私が女優になる日_』でつかんだ主演

その番組が『TBSスター育成プロジェクト 私が女優になる日_』です。TBSテレビが女優を発掘して育てる企画で、総合プロデューサーは秋元康さんが務めました。放送は2021年4月17日に始まります。

応募者は全国で約9,000人いました。その中から10人が選ばれ、3か月にわたる演技バトルが続きます。飯沼さんはこの10人に残り、演技で競い合う日々を過ごしました。部活で試合を重ねてきた飯沼さんにとって、今度の勝負の場はコートではなくカメラの前でした。

結果が出たのは2021年9月11日です。飯沼さんは1位に選ばれ、初代のグランプリになりました。18歳になったばかりのころです。この1位には大きな役がついていました。TBSで初めての深夜の帯ドラマ枠「よるおびドラマ」の第1作『この初恋はフィクションです』の主演です。帯ドラマとは毎日同じ時間に放送する形のドラマのことです。

放送が始まったのは2021年10月12日で、グランプリが決まってからおよそ1か月後でした。飯沼さんが演じたのは倉科泉で、放送は12月17日まで続きます。オーディションで選ばれた人が、すぐに連続ドラマの真ん中に立つことになりました。

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主演作とグラビアとラジオ、デビュー直後の飯沼愛さんが広げた仕事

デビューしてからの飯沼さんはいろいろな場所に顔を出していきます。2021年11月には『THE TIME,』の「朝活RUN」に出演し、2022年1月には『ラヴィット!』にも登場しました。2022年4月4日に発売された『週刊プレイボーイ』16号では初めてのグラビアを披露し、同じ日にデジタル写真集『声が聞こえる』も出ています。

ドラマでは2022年7月26日から『パパとムスメの7日間』が始まり、川原小梅を演じて主演を務めました。同じ日には講談社からデジタル写真集『WHITE graph』も出ています。

10月2日には、TBSラジオで冠番組『飯沼愛の「明日、恋するために…」』が始まりました。冠番組とは、その人の名前がついた番組のことです。この番組は2025年9月27日まで、およそ3年続きます。

そのすぐあとの2022年10月16日には、日曜劇場『アトムの童』で杉野結衣を演じました。これがゴールデン帯の連続ドラマへの初出演です。ゴールデン帯とは夜7時から10時ごろまでの時間帯のことです。2023年に入るとNHKの『天使の耳〜交通警察の夜』で御厨奈穂を、『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』の第4話で江戸陽葵を演じました。TBSだけでなく、NHKやテレビ朝日のドラマにも出るようになっていきます。

『VIVANT』の太田梨歩で注目された飯沼愛さん、撮影のない日も通った現場

大きな転機になったのが、2023年7月16日から9月17日まで放送された日曜劇場『VIVANT』です。主演は堺雅人さんで、阿部寛さん、二階堂ふみさん、二宮和也さん、松坂桃李さん、役所広司さんらが共演しました。飯沼さんが演じた太田梨歩は、丸菱商事の財務部で働く事務員です。放送中の2023年8月に、飯沼さんは20歳になりました。

太田梨歩という役は実年齢より5歳年上です。飯沼さんは当時のインタビューで、はじめは不安だらけだったとふり返っています。そこで福澤克雄監督に直接たずねながら、役を組み立てていったそうです。

もうひとつ知られているのが、撮影のない日の過ごし方です。飯沼さんは自分の撮影がない日にも現場を訪れ、堺雅人さんら先輩の演技を勉強していました。出番がない日に足を運ぶのは、自分から学びにいく姿勢があってこそです。

役は放送中から話題になりました。放送と同じ時期には『よるのブランチ』『日曜日の初耳学』『ジョブチューン』にも出演しました。2026年に放送が始まった第2シーズンでは、太田梨歩を花岡すみれさんが演じています。

『南くんが恋人!?』で主演女優賞、飯沼愛さんが先輩から受け取った言葉

『VIVANT』のあと、2023年10月17日から12月19日には『マイ・セカンド・アオハル』で沢島真凛を演じました。先輩ばかりの現場で学ぶことが多かったと、飯沼さんはモデルプレスのインタビューで話しています。心に残っているのが、広瀬アリスさんの「たくさん失敗していったらいいよ」という言葉だったそうです。

2024年5月3日には『Rakuten GirlsAward 2024 SPRING/SUMMER』で、ANNA SUIのステージに立ち、初めてのランウェイを経験しました。本番の直前は不安が強かったものの、歩き始めると緊張がやわらいだといいます。前を歩いていた貴島明日香さんが声をかけてくれたことも支えになり、終わってみるととても楽しかったとふり返っています。

代表作になったのが、2024年7月16日から9月10日まで放送された『南くんが恋人!?』です。テレビ朝日のドラマで、飯沼さんは主演の堀切ちよみを演じました。放送が始まるころには『あざとくて何が悪いの?』『激レアさんを連れてきた。』など、同じテレビ朝日の番組にも続けて出演しました。

この作品で、飯沼さんは第28回日刊スポーツ・ドラマグランプリの夏ドラマ主演女優賞を受けました。オーディションの1位から3年で、今度は主演の仕事が賞という形で評価されたことになります。

事務所を移り声の仕事も、2026年の飯沼愛さんが始めた新しい活動

2025年に入ると、声や地元に近い仕事も見られるようになります。1月17日にはNHK BSの『スポーツ×ヒューマン』でナレーションを担当しました。3月15日には『たべる あそぶ まなぶ~日本財団 海をたすける春まつり in 瀬戸内~』の岡山会場に出演しています。

2026年は新しい動きの年になりました。4月1日にSNSを更新し、春からの新しい活動に向けて準備を進めていると報告します。4月10日には、株式会社TSUKIMIへの所属を発表しました。それまでの田辺エージェンシーから移り、新しい場所での活動が始まります。

5月11日には『飯沼愛の沼ラジオ』がスタートしました。Appleポッドキャスト、Spotify、Amazon musicで聞ける番組です。ポッドキャストとはインターネットで聞く音声番組のことです。およそ3年続けたTBSラジオの冠番組に続いて、自分の名前がついた番組をまた持つことになりました。

6月3日から10日には、TBSラジオの『CITY CHILL CLUB』でミュージックセレクターを務めています。7月17日には月刊バスケットボールWEBに記事が載りました。10月9日には対話型AI面接サービス「PEOPLEX AI 面接」のCMが始まっています。

自分はネガティブと話す飯沼愛さんの素顔、ピンクの服と小栗有以さん

主演女優賞まで受けた人ですが、飯沼さんは自分の性格をネガティブだと答えています。初めてのランウェイの直前に不安が強かったという話も、この言葉と重なって聞こえます。それでも歩き始めれば楽しめてしまうのが、飯沼さんなのだと思います。

ふだんの好みの話も出てきます。2024年のモデルプレスのインタビューで注目しているファッションやメイクを聞かれ、ピンク系をあげていました。私服の淡いピンクのカーディガンをほめられることもあって、これからはピンクを多めに取り入れたいと話しています。

友だちの話では、AKB48の小栗有以さんの名前が出てきます。ドラマで共演して以来の仲良しだそうです。ドラマの現場で出会った人と仕事の外でもつながっている、という話です。

大学の学園祭に呼ばれたこともあります。2024年11月3日には青山学院大学の青山祭で『飯沼愛 トークショー』が開かれています。雑誌ではCanCam、Bis、Rayに登場し、Rayの記事では自分の気持ちを明るく保つやり方も取り上げられました。日本生命のCM「いつもと違うって、ときめける。」篇など、ドラマの外で飯沼さんを見かけた人もいるはずです。

楽しんでいる人には勝てない、飯沼愛さんのこれから

夢をかなえるコツを聞かれたとき、飯沼さんの答えは具体的でした。2024年のモデルプレスのインタビューによると、基本の考え方はデビューしたばかりのころから変わっていないそうです。夢がかなった自分の姿を細かく思い浮かべて、やる気につなげているといいます。

同じインタビューでは最近の変化も話しています。楽しんでいる人には勝てないと感じるようになり、苦しさよりも楽しみながら取り組むことを意識しているのだそうです。デビューから3年たってようやく生活に慣れ、いろんなことが見えるようになってきたとも話していました。

ふり返ると、飯沼さんの歩みには大きな節目がいくつもあります。高校1年生でのスカウト、約9,000人の中での1位、18歳での連続ドラマの主演、『VIVANT』の太田梨歩、そして『南くんが恋人!?』での主演女優賞。2026年には新しい事務所に入り、自分のラジオも始めました。

バスケットボール部で副キャプテンを務めた人が、ドラマの主演を重ね、自分の言葉をラジオで届けるようになりました。先輩から「たくさん失敗していったらいいよ」と声をかけられた飯沼愛さんが、次の作品でどんな役を見せてくれるのか、楽しみに待ちたくなります。

参考:飯沼愛の詳しいプロフィール(Wikipedia)

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