『3年B組金八先生』の北尚明、『科捜研の女』の藤倉甚一、そして2026年の『VIVANT』第2シーズン。金田明夫さんは数えきれないほどのドラマに顔を出してきた俳優です。その一方で、スター・ウォーズの日本語吹き替えでは70役を超えるクローン・トルーパーの声を担当してきました。出発点は大学受験に失敗したときに俳優を志したことでした。
金田明夫さんの生い立ち、水泳が得意だった東京の学生時代
金田明夫さんは1954年10月13日生まれ、東京都出身です。豊島区の中学校から東京都立北野高校へ進みました。身長は165cm、血液型はO型です。
学生時代に得意だったのは水泳でした。プロフィールにも、特技として水泳と乗馬が並んでいます。どちらも体を動かす特技です。
この水泳は俳優になってからの暮らしも支えました。1995年当時、金田明夫さんは得意な水泳を活かして、プール監視員のアルバイトをしていたそうです。1995年といえば、のちに代表作となる『3年B組金八先生』に出はじめた年です。テレビで知られていく時期にも、プールサイドに立つ仕事を続けていたことになります。
中学も高校も東京の学校でした。高校を出るころには、俳優の道はまだ決まっていなかったようです。進路が大きく動いたのは、大学受験のときでした。
大学受験の失敗から俳優へ、演劇集団 円で主役を重ねた舞台
大学受験に失敗したとき、金田明夫さんは俳優を志します。入ったのは現代演劇協会で、研究生として芝居を学びはじめました。研究生は、劇団で学びながら舞台をめざす立場のことです。協会が分裂すると劇団円に所属し、1977年に演劇集団 円の劇団会員になりました。
舞台の記録を見ると、1976年の『カンガルー』、芥川比呂志さんが演出した1978年の『夜叉ヶ池』、1979年の『夏の夜の夢』と、早い時期から円の公演に出ています。
その後は、古典の大きな役を任されるようになります。1998年に『スカパンの悪だくみ』のスカパン、2003年に『リチャード三世』のリチャード三世、2005年に『マクベス』のマクベス、2007年に『オセロー』のオセローを演じました。2013年の『ワーニャ伯父さん』ではワーニャ伯父さん、2019年の『ヴェニスの商人』ではシャイロックです。こどもステージの『あらしのよるに』では、1998年にヤギのメイを演じました。
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日活の映画から大河ドラマへ、金田明夫さんが映像に広げた1980年代
若手のころの金田明夫さんは舞台と並行して日活の映画に多く起用されました。1982年には東映の映画『ダイアモンドは傷つかない』で岡本を演じ、1984年には映画『お葬式』にフクちゃんの役で出ています。
1980年代半ばからは、映像作品の出演が増えていきました。テレビでは、1983年の連続テレビ小説『おしん』で平野、1984年の大河ドラマ『山河燃ゆ』で守田少尉を演じています。1985年には『太陽にほえろ!』の第633話に倉橋の役で出演しました。
1987年の大河ドラマ『独眼竜政宗』では津田景康を演じ、同じ年には『浅見光彦ミステリー』の「天城峠殺人事件」で藤田真二の役も務めています。1989年には『織田信長』で斎藤義龍、『坂本龍馬』で陸奥陽之助と、歴史の人物を演じる仕事も続きました。
舞台で古典の役を重ねながら、テレビでは一話だけの役から時代劇、サスペンスまで引き受ける。のちに長く続く仕事の幅は、このころに広がっていきました。
『3年B組金八先生』の北尚明がはまり役に、1995年からの転機
1990年代に入ると、金田明夫さんの名前は話題作の配役に次々と並びます。1993年は『高校教師』の坂入主任と『じゃじゃ馬ならし』の金沢修二、1994年は『お金がない!』の白石浩一を演じました。『警部補・古畑任三郎』の第6話には柴崎理事の役で、1995年の『王様のレストラン』の第1話には失礼な客の役で出ています。同じ1995年には、連続テレビ小説『春よ、来い』で山路克己も演じました。
転機になったのが、TBSの『3年B組金八先生』です。金田明夫さんは1995年から2011年まで、この作品で北尚明を演じました。北教諭の役は金田明夫さんのはまり役として知られています。
学校を舞台にした作品とは、その後も縁が続きます。2005年には日本テレビの『女王の教室』で桐谷教頭を、TBSの『ドラゴン桜』で川口洋を演じました。
連続ドラマの配役でも、欠かせない顔になっていきます。1999年の『救命病棟24時』第1シリーズでは菊池保、2003年の『最後の弁護人』では柴田隆介、同じ年の『ビギナー』では山本宗司を演じました。『相棒』には2007年のseason5で北村武、2024年のseason22で武智淑郎と、別の役で2度出演しました。
金田明夫さんのもう一つの顔、スター・ウォーズで演じ分けた70役
声の仕事を語るときに外せないのが、スター・ウォーズです。金田明夫さんはもともとシリーズのファンで、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を見て以来、マスクをかぶったキャラクターが好きだったことからボバ・フェットに興味を持っていました。
そこへ、マネージャーから声がかかります。2002年の『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』で、ジャンゴ・フェットの吹き替えに挑戦しました。その流れで、ジャンゴのクローンであるクローン・トルーパーやボバ・フェットも担当するようになります。
クローン・トルーパーでは、70役を超える吹き替えを担当してきました。性格の違う一人ひとりを、20年以上演じ分けています。アニメ『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』では、主人公の5人を含め、少年期を除くクローン・トルーパー全員の吹き替えを一人で担当しました。1つの役を長く演じられるのは幸せなことで、役と一緒に自分も成長できる面白さがある。金田明夫さんはそう語っています。
ほかの吹き替えでは、『ベイマックス』のロバート・キャラハン、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』と『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』のペンギンも担当しました。
藤倉甚一に小山田大介、長く続くシリーズを支えた役
2000年代に入ると、話題の大作にも名前が並びます。2007年は『華麗なる一族』の小島恒夫と、大河ドラマ『風林火山』の飯富虎昌。2009年は連続テレビ小説『つばさ』の宇津木泰典、2012年は大河ドラマ『平清盛』の鎌田通清です。
長いつきあいになった役もあります。『科捜研の女』の藤倉甚一は、2013年のseason13から出演し、2021年の『科捜研の女 -劇場版-』を経て、2026年1月23日の「ファイナル」まで演じました。
『警視庁・捜査一課長』の小山田大介も息の長い役です。土曜ワイド劇場の単発シリーズとして2012年に始まり、2016年からの連続ドラマ、2024年のスペシャルまで出演が続きました。2015年の『民王』で演じた狩屋孝司は、2024年の『民王R』にも引き継がれています。
映画では、2020年の『カイジ ファイナルゲーム』で渋沢総一郎、同じ年の『Fukushima 50』で内閣官房長官を演じました。2025年の『THE RIGHTMAN 正義の男』では、中村正義の役で主演を務めています。
2020年代の連続ドラマにも、話題作の名前が続きます。2021年の『志村けんとドリフの大爆笑物語』では荒井注さんの役を、2022年の『ミステリと言う勿れ』では奈良崎幸仁を演じました。2023年は『ハヤブサ消防団』の村岡信蔵と、『ラストマン-全盲の捜査官-』の山藤憲治です。
『VIVANT』第2シーズンに出演、金田明夫さんの2026年の仕事
金田明夫さんは、TBSの日曜劇場『VIVANT』第2シーズンに出演しています。第2シーズンは2026年7月に放送が始まりました。
同じ2026年も、テレビの仕事は多彩でした。2月には『仮面ライダーゼッツ』でディザスターナイトメアの声を担当し、4月には『孤独のグルメ Season11』の第2話で和賀義和を演じています。5月にはBS日テレの『令和サスペンス劇場・旅人検視官 道場修作』で小野田洋介、8月には『大追跡〜警視庁SSBC強行犯係〜 Season2』の第4話で住崎大輔の役で出演しました。
1話だけの出演も、長いシリーズも、声の仕事も引き受ける。2026年の出演歴を見ても、その働き方は変わっていません。
『くちづけ』の舞台と内藤剛志さんとの旅、金田明夫さんの素顔とこれから
映像の仕事が増えてからも、舞台を離れてはいません。『くちづけ』では、2010年の東京セレソンデラックスの公演で愛情いっぽんこと阿波野幸助を演じました。その後もタクフェスの公演で2015年、2020年、2025年11月から2026年1月にかけて同じ作品に出演しています。2023年には『グレンギャリー・グレンロス』で主演のレヴィーンを演じました。
仕事の外の顔が少し見えるのは、2026年9月21日にBS朝日で放送された『あなたの知らない京都旅』です。「内藤剛志&金田明夫 盟友ふたり思い出巡り」と題した回で、内藤剛志さんと2人で登場しました。
これからの作品も続きます。2026年10月10日に放送が始まった日本テレビの『俺たちの箱根駅伝』は、池井戸潤さんの原作、大泉洋さんの主演です。金田明夫さんは東邦経済大学の監督、大沼清治郎を演じています。TVerの『俺たちの学連合宿』にも同じ大沼清治郎の役で出演しています。映画では『どんぶりとれんげ』が2027年2月26日に公開される予定です。

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