満島ひかりの経歴 11歳でFolderデビューから『愛のむきだし』を経て『ラストマイル』主演へ

満島ひかり 女性芸能人
写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
満島ひかりの写真

2026年8月、満島ひかりさんは中島哲也監督の映画『時には懺悔を』で、探偵の助手として修行中の聡子を演じました。2025年には『ラストマイル』の舟渡エレナ役で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を受け、『夏の砂の上』『ホウセンカ』『兄を持ち運べるサイズに』と出演作が続いています。そんな満島さんの芸能活動の始まりは、俳優ではなく、11歳で参加したダンスボーカルグループでした。

沖縄で育った満島ひかりさん アクターズスクールの門をたたく

満島ひかりさんは1985年11月30日、鹿児島県鹿児島市で生まれ、沖縄県沖縄市で育ちました。幼いころから本を読むのが好きで、小説家になろうと思っていた時期もあったそうです。満島という名字は、先祖が奄美大島に多い「満(みつ)」という一文字の名字を名乗っていたものの、一族に「みつ」という名の女性がいた時期に、姓と名が同じ音になるのを避けて改めたものだといいます。

小学4年生のとき、沖縄アクターズスクールが開いた「安室奈美恵を目指せ!NEW・SUPER MONKEY’Sオーディション」を受けます。面接では内田有紀さんの「Only You」を歌い、見事に優勝。1年間無料で通える権利を得て、親を説得して入校しました。子役時代のインタビューでは、目標とする芸能人にSPEEDや観月ありささんの名前を挙げていました。

11歳のときには、写真家の篠山紀信さんが同じスクールの生徒たちを中心に撮った写真集『少女たちのオキナワ』で、満島さんが1ページ目を飾っています。沖縄の小さな教室から、全国に名前が届くまでの距離は、思ったより近かったのかもしれません。

Folderで11歳デビュー 『モスラ2』で芽生えた役者の夢

満島さんは7人組ユニット「Folder」に「HIKARI」の名前で参加し、1997年にシングル「パラシューター」でデビューしました。この曲は10万枚以上のヒットになります。2000年に5人組の「Folder5」へ形を変えてからも、3枚目のシングル「Believe」がアニメ『ONE PIECE』のオープニングテーマに使われるなど、多くの人に聴かれました。グループではバックダンサーに近い立ち位置でしたが、歌唱力を生かして『THE夜もヒッパレ』やモノマネ番組にも出演し、中島美嘉さんや浜崎あゆみさんの歌を披露しています。

同じころ、Folderのメンバーとして映画『モスラ2 海底の大決戦』に浦内汐里役で出演します。小学校で童話の朗読をするために物語を覚え、人前で発表していたこともあり、セリフを覚えるのは苦にならなかったそうです。この経験が、役者を目指すきっかけになりました。

14歳のときには映画『恋する惑星』を観て、歌うように芝居をしていたフェイ・ウォンさんに憧れを抱いたといいます。Folderで一緒だった三浦大知さんとは、いまも兄弟のような仲です。

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落ち続けたオーディションと『ウルトラマンマックス』のエリー

Folder5の活動休止後、満島さんは八雲学園高等学校に通いながら、2003年9月にTOKYO MX『ゼベック・オンライン』のアシスタントとして、本名の「満島ひかり」で芸能活動を再開しました。司会やグラビア、タレントの仕事を経て、俳優の道へ進んでいきます。

ただ、役者を目指して受けたオーディションには、なかなか受かりませんでした。19歳のころ、これが最後と思って臨んだのが『ウルトラマンマックス』です。アンドロイドのエリー役に抜擢され、実相寺昭雄さんから役者に向いていると声をかけられたことで、本格的に俳優を目指すようになりました。

その後もフジテレビ『ダンドリ娘』の青木麗役、『仮面ライダー電王』の沢田由香役、映画『デスノート』の夜神粧裕役、『僕の彼女とその彼氏』での初主演、2008年の連続テレビ小説『瞳』の橋本純子役と出演を重ねます。それでも、大きく名前が知られるまでには、もう少し時間がかかりました。

『愛のむきだし』のヨーコで満島ひかりさんの名前が一気に広まる

転機になったのは、2009年1月公開の園子温監督の映画『愛のむきだし』です。満島さんはヨーコ(尾沢洋子)を演じました。当時はほとんど無名でしたが、その演技は高く評価され、作品の話題性とあわせて知名度が一気に上がります。

この作品で、報知映画賞新人賞、ヨコハマ映画祭助演女優賞、毎日映画コンクールのスポニチグランプリ新人賞、キネマ旬報ベスト・テン助演女優賞などを次々に受けました。満島さん自身は、自分をぶつけられる場をもらえたことで、それまでやり切れなかったことを全部吐き出せた、自分のベースができた感覚もあったと振り返っています。

2010年には主演映画『川の底からこんにちは』の佐和子役でヨコハマ映画祭主演女優賞とエランドール賞新人賞を受け、『悪人』の石橋佳乃役で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。ドラマでも、TBS『BLOODY MONDAY』の敷村理沙役、フジテレビ『月の恋人〜Moon Lovers〜』の安斎リナ役、テレビ東京『モテキ』の中柴いつか役と、立て続けに話題作へ出演しています。

坂元裕二さんの脚本と『Woman』『トットてれび』『カルテット』

2011年、フジテレビ『それでも、生きてゆく』の遠山双葉役で、連続ドラマのヒロインを初めて務めます。脚本の坂元裕二さんは、満島さんが忙しく何度か断られたあと、直接会いに来て出演を頼みました。その姿に信用できる人だと感じた満島さんは、スケジュールをどうにか詰めて出演を決めたそうです。日本アカデミー賞では『悪人』『一命』『北のカナリアたち』で3年続けて優秀助演女優賞を受けました。

2013年、民放初主演の日本テレビ『Woman』で青柳小春を演じ、放送文化基金賞の演技賞などを受賞。2014年にはTBS『ごめんね青春!』の蜂矢りさ役でザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞を受け、2015年には蜷川幸雄さん演出の舞台『ハムレット』でオフィーリアを、映画『駆込み女と駆出し男』でお吟を演じました。2016年にはNHK『トットてれび』で黒柳徹子さんを演じます。この役は、黒柳さん自身が満島さんを指名したものでした。

2017年のTBS『カルテット』では、チェリストの世吹すずめを演じ、主題歌「おとなの掟」の歌唱にも加わりました。同じ年、放送文化基金賞で史上3人目となる2度目の演技賞を受けています。

フリーになって広がった歌と朗読の世界

2018年3月、満島さんは所属事務所から独立し、フリーで活動を始めました。いまは中学時代からの友人であるスタイリストと2人で会社を立ち上げ、役者の仕事のマネジメントを二人三脚で行っています。NHK BSプレミアムの『シリーズ・江戸川乱歩短編集』では、2016年から2021年まで明智小五郎などを演じ続けました。2021年には、満島さんが1人6役を演じた長崎県南島原市の観光ムービーが、ショートショートフィルムフェスティバルの観光映像大賞部門で観光庁長官賞に選ばれています。

音楽の場でも活躍が続きます。2017年にはMONDO GROSSOの14年ぶりの新曲「ラビリンス」に参加し、2018年には小沢健二さんのツアーでバンドメンバーを務めました。2023年には、いろいろなアーティストと組むレーベル『rhapsodies』を立ち上げ、第1弾として三浦大知さん、SOIL&”PIMP”SESSIONSと組んだ「eden」を配信しています。

朗読にも力を入れていて、2019年からは坂元裕二さんの言葉を読む朗読劇の企画で全国を回っています。2022年にはNetflixの『First Love 初恋』で、佐藤健さんとW主演で野口也英を演じました。2023年4月から2025年3月まではNHKラジオ第1『ヴォイスミツシマ』も担当しました。

『ラストマイル』の舟渡エレナから『時には懺悔を』の聡子へ

2022年には映画『TANG タング』の春日井絵美、『川っぺりムコリッタ』の南詩織、『アイ・アム まきもと』の津森塔子と、出演作の公開が続きました。

2024年8月公開の映画『ラストマイル』では、主演の舟渡エレナを演じました。『アンナチュラル』『MIU404』と同じ世界でつながる、塚原あゆ子監督と脚本の野木亜紀子さんによる作品です。出演について満島さんは「『ラストマイル』の主演が私で良かったのか、いまもまだ自信を持てないでいますが、塚原あゆ子組に参加してみたいという前のめりな気持ちが勝り参加しました」とコメントしています。この役で第48回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を受けました。

2025年は出演作がさらに続きます。7月公開の『夏の砂の上』ではオダギリジョーさん演じる主人公の妹・小浦阿佐子を、8月にはNHKのアニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』でマユの声を、10月公開のアニメ映画『ホウセンカ』では永田那奈の若いころの声を担当。11月公開の『兄を持ち運べるサイズに』では加奈子を演じました。そして2026年8月、『時には懺悔を』で西島秀俊さんと初共演しています。

ノートに気持ちを書きつづる 満島ひかりさんの素顔とこれから

満島さんは、感じたことや考えたことを何でもノートに書きつづっています。そうすることで余計なものをリセットしているそうです。感性や本能を大切にしているからこそ、正直で素直でいることを心がけているといいます。

甘くて柔らかいデザート全般が苦手で、なかでもプリンがいちばん嫌いというのは、よく知られた話です。安藤サクラさんとは『愛のむきだし』での初共演から仲が良く、学年も身長も足のサイズも同じだといいます。マツコ・デラックスさんとは『ゼベック・オンライン』の縁で、お互い右も左もわからない時代からの付き合いです。

11歳で歌い始め、落ち続けたオーディションの先で、満島さんは歌と芝居と朗読を自由に行き来する表現者になりました。どんな役も、そう思わないとできないというタイプで、事前に役や作品をよく学んでから現場に入るといいます。次はどんな人物として、わたしたちの前に現れてくれるのでしょうか。

写真: Dick Thomas Johnson from Tokyo, Japan / CC BY 2.0 (Wikimedia Commonsより)

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