石破茂の総理大臣就任とその働き|「保守本流」の原点回帰を目指した新政権の挑戦

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「政策通」「理論家」として知られ、自民党内でも異色の存在であった石破茂氏。

長年の地道な政策提言と、国防・安全保障、地方創生に対する真摯な姿勢が評価され、2024年、自民党総裁選においてついに勝利を収め、第102代内閣総理大臣の座を射止めることとなった。

ここでは、石破茂氏が総理大臣に就任するまでの経緯と、首相としての取り組み・成果について詳しく解説する。


石破茂氏の総理大臣就任までの道のり

長きにわたる「総理候補」から「実現」へ

石破氏は、2009年の自民党下野後に防衛通・政策通として存在感を発揮し、2012年には自民党総裁選に出馬。

地方票では圧倒的支持を集めたものの、安倍晋三氏に敗北。

その後も幾度となく総裁選に挑戦し、党内で「政策は石破、選挙は他の候補」との評価が定着してしまい、党内基盤の弱さから敗れ続けていた。

しかし、2023年以降、自民党内で続いたスキャンダルと政権への不信感が広がり、「クリーンなイメージ」と「政策重視」の石破氏への期待が再燃。

次期リーダーとして再び脚光を浴び、2024年の総裁選では世論の後押しと地方組織の支持を武器に、自民党本流派閥の一部とも連携を深めながら、勝利を掴んだ。


2024年自民党総裁選での勝利

2024年9月27日、石破茂氏が自民党新総裁に選出

総裁選は、党員票・議員票ともにバランスよく獲得した結果、石破茂氏が自民党第27代総裁に選出される。

これは、石破氏にとって約12年越しの悲願達成となった。

「正論派」「政策本位」と呼ばれながらも、実際には党内で孤立しがちだった石破氏が、党のリーダーとして選ばれたことは、党内の「変化」を象徴する出来事であった。

石破氏は、選出後の記者会見で次のように述べている。

「自民党が再び国民から信頼される政党となるために、原点に立ち返り、政策を実行し、国民と誠実に向き合っていきたい」


首相指名と解散・総選挙

2024年10月1日、第102代内閣総理大臣に選出

2024年10月1日、臨時国会での首相指名選挙が実施され、自民党総裁である石破茂氏が第102代内閣総理大臣に選ばれた。

石破内閣がここに正式発足し、日本の政治は新たな局面を迎えた。

石破内閣発足後、即座に「解散・総選挙」を宣言

石破氏は、首相指名からわずか3日後の10月4日、所信表明演説を行い、「できる限り早期に国民の信を問うべき」として衆議院の解散を決断。

この判断は、自民党が抱える支持率低下と不信の払拭に向けたものだった。

石破氏は、以下の方針を掲げた。

  • 国民の信頼を取り戻す
  • 公平・透明な政治の実現
  • 地方創生と経済再建、安全保障の強化
  • 「新しい自民党」の創造

2024年10月27日 衆議院議員総選挙の結果

与党は過半数割れの厳しい結果に

2024年10月27日に実施された総選挙では、石破首相率いる自民党と連立与党・公明党の議席数は合わせて215議席にとどまり、過半数の233議席を下回る結果となった。

自民党単独では190議席を獲得したが、これまでの選挙結果と比較すれば大幅な議席減であり、「国民の信を問う」という石破首相の意気込みに対して、世論の判断は厳しかったと言える。

しかし、石破氏は「この結果を厳粛に受け止める」としながらも、「与野党協力による改革」を目指す姿勢を崩さなかった。


石破首相の政策と主要な働き

1. 早期の衆議院解散・総選挙の実施

「国民の信を得なければ政治は前に進まない」という信念のもと、石破首相は自らの政治生命を懸けて選挙を断行。

過半数を割ったものの、少数与党の形で石破内閣を継続させ、政策遂行にあたることとなった。

2. 所信表明演説(2024年10月4日)

石破首相は就任直後、所信表明演説において以下の柱を打ち出した。

  • 「安心できる日本の再構築」
  • 「地方創生と人口減少対策」
  • 「防衛力と外交の強化」
  • 「経済の持続的成長と格差是正」
  • 「政治とカネの問題への徹底的対応」

彼は「国民の目線を常に意識し、誠実に説明し続ける政治を実現する」と誓った。

3. 党首討論(2024年10月9日)

野党各党トップとの党首討論を実施。

石破首相は、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、共産党各党の代表と政策論争を交わし、特に安全保障政策や経済対策に関する現実的な提案を行った。

冷静かつ具体的な答弁が評価され、国会論戦での実力を改めて示す形となった。

4. 内閣の組閣と新布陣

石破内閣は、防衛・地方創生の政策を最優先に掲げたメンバーで固められた。

若手や女性議員を積極的に登用し、「閉鎖的な自民党政治の打破」と「多様性ある政治」を実現するための布陣を構築。

特に、地方出身者の登用が目立ち、「地方に寄り添う内閣」をアピールした。


石破内閣の主要政策と取り組み

1. 安全保障政策の強化

防衛通として知られる石破首相は、就任直後から防衛力強化を打ち出し、防衛予算の見直しと南西諸島の防衛態勢の強化を進めた。

また、日米同盟を基軸とした外交を継続しつつ、アジア太平洋地域での多国間協力にも積極的な姿勢を見せている。

2. 地方創生と人口減少対策

長年掲げてきた「地方創生」は石破政権の最重要テーマの一つ。

  • 地方自治体への権限委譲
  • 地域間格差の是正
  • 地域産業振興とデジタル化支援

    などの政策パッケージを発表し、地方経済の再建に注力している。

3. 政治改革と「自民党の原点回帰」

石破首相は「本来の自民党を取り戻す」と表明し、党改革にも着手。

「政治とカネ」の問題に関しては、徹底した透明性を確保する法改正を進め、政治資金規正法の厳格化を断行。

派閥政治の解体や、政治倫理の確立にも力を入れている。

4. 新型コロナウイルス対策の継続と見直し

感染症対策として、科学的根拠に基づいた施策を継続。

医療体制の強化と、パンデミックに備えた法整備を推進している。


石破政権の評価と今後の展望

石破茂首相は、就任からわずか数ヶ月で国内外の信頼回復に努め、国民の間では「クリーンで誠実な政治家」としての評価が広がっている。

しかし、過半数を割る与党勢力の中で安定的な政権運営を行うのは決して容易ではなく、野党との協調、または連立の模索が今後の課題となっている。

また、石破氏自身は「国民との対話」を最重要課題とし、頻繁に記者会見やタウンミーティングを実施。

「顔が見える政治」を標榜し、閉塞感のある政界に一石を投じている。


まとめ|石破茂が描く「本来の自民党」と日本の未来

長年にわたり「正論」を掲げ続けた石破茂氏は、自民党総裁・総理大臣となり、自らの信念を政策として実行に移し始めた。

地方創生、安全保障、政治改革という三本柱を掲げ、「国民のための政治」を実現するために挑戦を続けている。

日本政治の行方は、この「異色の政策通」である石破茂氏の手腕にかかっている――その目は、確かに未来を見据えている。

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